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スターウッドとの出会い~ ウェスティンホテル大阪

 ウェスティンホテル大阪は、スターウッドホテルのなかでは最も早くから馴染んでいる。ホテルといえばビジネスホテルでしかなかったわたしに、シティホテルの何たるか、そして客はどう振る舞うべきか、全て教えてくれたのがこのホテルだ。
 だから、この記事は最初は通常の「お勧めホテル」のシリーズのつもりで書きはじめたのだが、ウェスティンホテル大阪だけは別格で、わたしにとって特別なホテルなのである。それで、スターウッドとの馴れ初めから語らねばならないので、上下二記事に分けることとした。

 さて、その出会いは、妙なところからであった。

 親族が、旧・青木建設(現・青木あすなろ建設)の株を持っていた。平成初頭、わたしはまだ学生であったが、その親族がわたしに、青木建設から株主に贈られるこのホテルの割引宿泊券を譲ってくれたのである。
 なぜそういうものが贈られるのかといえば、当時のウェスティンは、青木建設の系列会社だったからである。大阪のウェスティンだけではない。今となっては信じがたいことだが、世界のウェスティン全てを統括するウェスティン本体が、青木建設の実質的な子会社だったのである。まさにバブルのなせる業であるが、その関係でこのホテルは青木建設本店ビルの向かいに、もちろん青木建設自身の手によって建てられた。

 わたしは大阪の大学に通っていたが、けっこうな遠距離通学であった。それに、研究も佳境に入ってくると深更に及ぶことも珍しくなくなり(もっとも、研究だけでなく付き合いでそうなることもあったが)、電車で往復する時間さえ惜しくなる。それで、大阪のホテルに泊まる機会が増えた。もちろんビジネスホテルで、少しでも費用対効果比の高い所を選んで泊まっていた。現在のようにウェブで情報を収集して比較する、ということはできなかったから、分厚いホテルガイドの本を毎年のように買っていた。
 それで、たまにはもう少しいいホテルに泊まってみては、と親族が配慮してくれたのであるが、そういう実用的な目的の他に、わたしに社会勉強としてきちんとしたホテルを経験させたい、という意図もあったと思う。実際、割引といっても、その額は、ビジネスホテルなら二~三泊できるものであった。
 わたしはさっそくこわごわ宿泊してみた。駅からのシャトルバス、玄関での出迎え、ベルボーイに荷物を持ってもらっての部屋までの案内、40平米を超える面積の部屋、ターンダウンサービス、…、と初めて経験することばかりで、わたしは感動した。その後も親族は配当の度に送られてくる割引券を皆わたしにくれた。わたしは宿泊の回を重ねるにつれ、自然にシティホテルでの態度や身のこなしを体得していったのである。同時にホテルの魅力に開眼したのである。

 ところが、バブル崩壊とともに青木建設はウェスティンの経営から手を引いてしまう。代わって、ホテルオーナー企業であるスターウッドが株を取得した。その後も、以前の縁もあって、青木建設の割引券は発行されつづけ、わたしはそれを使って宿泊を重ねた。
 が、平成14年に青木建設は遂に民事再生法適用を申請する。これが発表された時、ちょうどわたしは件の割引券の使用を前提としてこのホテルを予約していた。何かホテルから言ってくるかと思ったが、音沙汰ないまま、当日フロントへ恐る恐る行ってみた。もはやこんなものは紙切れです、と言われるかと思ったが、幸い割引券は有効であった。いったん受けた予約は、利用客に不利にならぬようちゃんと遂行する、という責任感が自然ににじみ出た応対に、ますますファンになったわたしである。
 それにしても、同業社の支援により再建した現在の青木あすなろ建設大阪本社ビルは、以前の青木建設本店ビルそのものである。往時の社員がどれほど残っているのか分からないが、目の前に過去の自社栄光の象徴のような巨大な建造物があるのは、皮肉な気分であろう。あるいは、臥薪嘗胆の想いを忘れぬよう、敢えて本社を移転しないのかもしれない。

 さて、スターウッドは、傘下の各ブランド共通のポイントシステムを始めていた。青木建設の割引券がもうもらえないとなると、これからはこのホテルに手が出ないかな、と悄然としていたわたしにとって、このポイントシステムは救世主であった。しくみをよく読むと、非常にメリットが大きい。
 わたしは割引券最後の宿泊時に、部屋に置いてあったポイントシステムの申込書に記入した。その場で仮会員証が発行され、その宿泊からちゃんとスターポイントが付与された。

 その後スターウッドとの付き合いが始まり、次の年にはゴールドになり、その次の年からはプラチナステータスを維持している。これによって、大きな特典を享受しているわけだが、地の利から言っても、ポイントを取得するのにウェスティンホテル大阪はかなりの貢献をしてくれている。

 大阪市内には結構シティホテルが多いので、競争も激しいのだが、わたしは上記の理由で、他のシティホテルにはほとんど泊まったことがない。だから比較対照してどうか、ということは言えない。
 しかし、まずはウェスティンホテル大阪には満足しており、不快な思いをしたこともほとんどない。それで他に浮気するつもりもない。

 アクセスは、大阪駅桜橋口近くのガード下にあるホテルバス乗場からのシャトルバスが便利だろう。この乗場は路上停留所ながら、帝国ホテル・リーガロイヤルホテル・ハイアットリージェンシーのバスも発着し、壁には各ホテルバスの時刻表も掲示され、ちょっとしたターミナルである。警備員が常駐し、クルマと乗客の整理にあたっているので、分からなければ問い合わせればよい。
 ただ、以前はベージュ色だったウェスティンのバスが、数年前から受託事業者が変わったのを機に臙脂色になり、帝国ホテルのバスと同じ色になった。両館の乗場は近接していることもあり、乗車時には注意が必要である。
 それから、ホテル行は誰でも自由に乗れるが、駅行の乗車には改札があり、乗車券もしくは何かホテルを利用したことが分かる物を提示しないと乗れない。乗車券はフロントや館内各施設のレジで発行しているし、ベルに申し出れば(ホテルを利用したことが明らかな客には)すぐにくれる。あるいは、ホテルや館内各店発行の当日付レシートを見せてもよい。滞在中ならルームキーでも構わない。
 以前は大阪駅北口にホテルバスの乗場があったのだが、北口ビル工事のため、ガード下に移転となった。それによる怪我の功名で、ホテルとの間が近道をとれるようになり、大幅に所要時間が短縮した(特に駅行)。そのせいか、以前終日二十分毎だったシャトルバスは、現在データイム十五分毎に増便となっている。運行時間帯も、ホテル発は7時50分~21時50分、駅発は8時00分~22時00分と、比較的広いのが助かる。
 なお、ホテルに隣接する新梅田シティと大阪駅エリアの間には、梅田貨物駅の下をくぐる地下道が設けられている。これを使ったら、大阪駅から徒歩十~十五分程度でホテルに行ける。特に、阪急梅田駅や阪急三番街のバスターミナルからなら、この地下道を利用するのが最善であろう。桜橋口のシャトルバス乗場までとホテルまでと、徒歩距離はほとんど変わらないのだ。
 新大阪からなら、タクシーで15分程度という手頃な距離である。

 では、ホテル内にご案内しよう。

 さて、前記事では、スターウッドの入口となってくれたこのホテルの概要をご紹介したが、今回は実際の施設やサービスをご案内する。

 客室は、最低でも41平米あるので、広さは十分である。全ての部屋において、バスルームはシャワーブース付で広々しているのも、よい。ただし、トイレがブースになっていないのが残念だし、床が濡れると非常に滑りやすいので、年配の方などは特に注意が必要だ。
 なお、ほぼ横断面が正方形の建物であり、中央にエレベーターホール、その周囲を回廊となった廊下が巡り、その外側に客室がある、という構造のため、どの部屋からも都市的な眺望が愉しめるのも特長である。
 また、どちら向きの部屋からも、何らかの鉄道の姿が見えるのは、その筋の人にとっては面白くてしかたがないだろう。特に東向きの部屋からは、梅田貨物駅と大阪駅、それに関空特急「はるか」などが走る梅田貨物線などが見下ろせ、圧巻である(写真左の左は東側窓からの眺望。大阪駅西側の線路と、手前には梅田貨物線が見える。左の右は北側窓から。JRの大阪~塚本間の淀川鉄橋、遠くには阪神電車も見える)96070782 96070891_2

 プラチナメンバーの場合、ラグジュアリーフロアもしくはエグゼクティブフロアの部屋をあてがわれることが多い。これらは、廊下の絨毯の色が違ったり、エレベーターホールがかなり凝った装飾になっていたりするし、客室内の調度品や備品も一般フロアよりもいいものが使われているので、高級感は味わえる。ただし部屋のつくりや広さは基本的に一般フロアと同じであるから、ちょっとがっかりするかもしれない。
 空いていれば、コーナースィートにアップグレードしてくれる。わたしはこちらの方がありがたい。角部屋であることで、半端に余ったスペースをも利用して、バスルームを隔ててリビングと寝室とがゆるやかに分かれており(仕切りはない)、テレビもそれぞれにあるし、空調も別々に調節できる。総面積は60平米である。
 エグゼクティブフロアの各室とコーナースィートには、ファックスが標準装備されているので、ビジネス滞在には便利だ。このほか、貸出備品も多い。インターネット接続は、備え付けのLANケーブルを差し込むだけの安直なもので、一泊1050円の利用料である。

 また、プラチナメンバーだと、宿泊階に関わらず26階のエグゼクティブクラブラウンジを自由に利用できる。以前のラウンジは、通常の部屋一区画分の小振りなもので、席数も少なかったため、朝食やカクテルアワーなど、待たされることも多かった。
 しかし、昨年11月にリニューアルし、広さも三倍ほどにも拡張されたうえ、インテリアも大幅に向上したため、非常に快適になった。
 朝食は、関西のスターウッドホテルのなかでもかなりの充実ぶりと言えよう。サラダ・チーズ・ヨーグルトの他、スクランブルエッグ・ベーコン・スープなどひととおりの洋朝食が取れる。ジュースの種類も多い。ただ、それぞれの料理が一度に少量しか出ないし、皿も小さいので、あまりがばっと取る気にはならない。それが狙いだろうが。
 しかし、そのために料理の補充や空き皿の片づけにスタッフが追われ、混雑時のサービスはあまりよくない。コーヒーやスープはスタッフが注いでくれるのが定位だが、混雑時は客任せになったり、「お持ちします」と言ったのに忘れられたりすることもあるので、自分で取った方が早い。
 喫茶タイムはソフトドリンクが無料である。若干のお茶請け(クッキーやチョコレート)が供されるが、自分で選べないので、さほどの魅力はない。
 カクテルタイムの前半はアルコールを含むドリンクとアンティパスト(生ハム・チーズ・鴨のローストなど簡単な料理が十種類ほど)が無料で取り放題(ドリンクはスタッフがサーブ。一部ドリンクに有料のものあり)、後半はワンドリンクと簡単なおつまみのみが無料である。
 席は、窓向きのカウンター席・テーブル席・ソファ・ミーティングテーブルと多彩である。いろいろな単位や目的で利用できる。

 プラチナメンバーの朝食は、1階のメインレストラン「アマデウス」でも提供している。コンチネンタルブレックファストなら無料、458円の追加料金を支払えば、ブッフェが利用できる。この差額なら、大抵の人はブッフェにするだろう。当然ながら、料理の種類もラウンジより充実しているし、客あたりのスタッフ数も多く、補充などのサービスもスムーズである。
 一時期、和食類の提供を中止し、別会場で追加料金を取って和朝食(定食)を供していた時期もあった。わたしも利用したことがあるが、残念ながら、差額を払ってまで食べるほどの内容とは思えなかった。結局和朝食は短期間で廃止され、「アマデウス」のブッフェに和食類が復活して選択肢が拡がった。尤も、それなりの落ち着いたムードで和食をとりたい人もいるだろうから、そういう人にはサービスダウンになっている。なお、「アマデウス」には、先述のコンチネンタルブレックファストのほか、アメリカンブレックファストなどのセットメニューや、自然食朝食(ナチュールキュイジーヌ)のセットもあり、これらであればスタッフのサーブを受けて坐ったままいただけるので、しんどい時は助かる。
 「アマデウス」には、タレント・著名人の姿がよく見られるのも特徴である。近くにある朝日放送(ABC)に出演した人が休憩や食事に訪れるのである。以前は朝日放送に隣接していたホテルプラザを利用していたのだろうが、同館の廃業により、ウェスティンに流れてきたと思われる。もちろん、食事中に声をかけたりサインを求めたりするのはマナー違反である。
 混雑時には隣の地中海料理「ステラマリス」も朝食会場として開放し、「アマデウス」と同じ内容を供することがある。

 この他、ロビーラウンジやペストリーショップ「コンディ」、それに24時間供せられるルームサービスも充実しており、食事に不自由することはないだろう。以前ルームサービスにあったプリフィクスディナー(メインディッシュを指定のアラカルトメニューの中から選んでフルコースにするもの)や、ナチュールキュイジーヌのディナーセットがなくなったのは残念だ。

 このホテルは、どちらかと言えば、スターウッド彩図でよりも、ホテル彩図の方が、安くてお得なプランが多く出ているようである。両彩図を見比べながら、自分の目的に合ったプランを探すといいだろう。

 わたしも、これからも定宿の一つとして使い続けるつもりである。

(平成21年6月宿泊)

 (下記画像は、『楽天トラベル』の同館ページにリンクします。予約もできます)
※ 楽天トラベルから予約すると、スターウッドのポイント獲得その他特典のほとんどを受けることができません。特典を受けるには、スターウッドまたはホテルオフィシャル彩図からの予約が必要です。
 ウェスティンホテル大阪

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