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2013年3月23日

福井と東京の交通展

 この夏も、全国各地で鉄道展の類が開催された。夏休みの時期はいつもそうなるのだが、鉄道関係の展示は確実に客が呼べるので、どことも企画するらしい。
 だから、とてもその全てを観あるくことはできないのだが、今年は福井と東京で開催されたものを観覧した。

 まず福井であるが、福井県立歴史博物館で開催された企画展、「鉄道博覧会 ―日本と福井の鉄道のあゆみ」である。
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 展示内容は、「日本」の部分については特に目新しいものはなかった。大宮の鉄道博物館や弁天町の交通科学博物館から借りてきた物も多く、どこかで見たようなのが多かったからである。
 「福井」の部分は、地元からいろいろと資料を集めてきたようで、面白いものも多かった。北陸本線の時刻表が、明治期以来どのように変遷してきたかを見るのも興味深かった。
 それ以前に、北陸本線のルート選定にあたって、誘致の綱引きがあったことの記録も、当時の鉄道建設熱を彷彿とさせる。丸岡への誘致は分かるとしても、三国からも誘致があったことに驚かされる。三国経由のルートはかなり遠回りになりそうである。
 また、いくつも構想のあった金沢と名古屋とを結ぶ鉄道計画のなかで、白山麓を抜けて勝山・大野を通り、油坂峠を越えて白鳥に出る、というルートのものもあったことに驚く。そういう鉄道が実現していたら、北陸の交通地図も違っていただろうが、あまりに雄大な計画で、実現の見通しもなかったようである。

 展示そのものよりも画期的だったのは、福井鉄道がこの企画展に対応した乗車券を発売したことである。一日乗車券とこの企画展の観覧引換券をセットしたもので、通常の一日乗車券は、原則として土曜休日にしか発売されないのだが、この乗車券は会期中毎日使えた。
 駅でこれを求めた時に驚いたのは、乗車券袋に入れて渡してくれたことである。福鉄にもこういう袋があったのだな、と思う。
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 表面は、昔の福鉄で花形として活躍した車輌達のスナップ、引換券部分は企画展のポスターなどと同じ絵柄であった。
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 裏面には最盛期の福鉄の路線図が描かれている。
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 さて、東京である。両国にある江戸東京博物館で開催された、「東京の交通100年博」である。これはタイトルからしても、余所で二度と観られるものではなさそうだ。
 展示物は期待どおりかなり充実していた。都電と都バスが主だが、トロリーバスや都営地下鉄の資料も、そこそこあった。都電全盛期における全系統の前面系統板を壁面に展示してあるのは壮観だ。いろいろな人や機関が所蔵していたのをかき集めてどうにか全系統揃えたとのことである。

 明治期の電車が実物大模型として展示され、中に入ることもできた。ここは撮影可でもあり、子供に人気であった。
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 特設コーナーでは、事前に公募した吊革の新デザインコンクールの入賞作が飾られていた。いろいろな発想があるもので、説明されなければ吊革と分からないものもある。
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 ジオラマには都電などの模型が実際に走り回っているが、何人もの人がそれぞれに制作したジオラマを接続させ、「直通運転」しているのである。一周すると、東京の各名所を都電が巡ることになる。
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 屋外展示に足を運ぶ。都電から函館市電に譲渡された除雪電車が、久しぶりに東京に戻ってきて展示されている。函館市電は、都電と軌間も同じで、何かと縁が深い。
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 そして、戦後の都電の象徴的存在である6000型の保存車輌が、懐かしい都電カラーで展示されていた。車内にも入ることができる。
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 現在唯一の都電路線となった荒川線も、他の路線が全廃されてその名がついた時点では、この塗装であった。6000型も現役だった。
 電車の周りも、さりげなく「戦後」の飾りつけがなされている。
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 一時間以上かけてじっくり見物し、帰ることにした。
 両国駅の総武緩行線ホームからは、もう使われていない列車ホームが見える。これもまた鉄道遺跡の一つだろう。そのホームにも、駅の利用客に向けた広告が掲げられているのが、ちょっとおもしろい。
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(平成23年8月訪問)

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