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直流化ダイヤ改正当日の敦賀駅

 この日はJR西日本のダイヤ改正当日だった。前月に電化方式の境界(直流と交流)が敦賀駅東方に移されたのを受け、京阪神からの新快速電車が延長されたりしたわけである。

 「敦賀行」という行先は、父の郷里である福知山に連れて行ってもらったとき、福知山駅に停まっていた小浜線直通のディーゼル列車に付けられていた方向板が初めて見た記憶ではないかと思う。その頃は敦賀なんて読めなかったし、どこにあるのかも分からなかった。まして自分が将来敦賀にほど近い所に住むなどということも予想していない。小学生にとっては神戸から福知山でもかなりの遠出であったから、そこからまだ奥に分け入る敦賀なんて、どんな地の果てか見当もつかなかった。
 その敦賀が、新快速の行先として表示され、神戸から乗換えなしで行けるようになる時が来るとは、面白いものである。長浜でも播州赤穂でもそうだったが、新快速が掲げると、何か都会的に見えるものだ。ともかく敦賀に行ってみよう。

 北陸線の上り普通電車で敦賀に向かう。北陸トンネルを抜けたところで車内灯が消えて直流に切り替わる。先日は「サンダーバード」の運転士がここで切換のスイッチを入れるのを忘れ、変圧器が故障して運行不能になり運転打切、という事故があったそうだ。
 ミスをするのもいけないが、運転できなくなるようなミスに対するバックアップシステムがないのも、再考した方がいいのではないか。わたしは切換を手動で行っているとはよもや思わなかった。

 11時10分に敦賀駅に到着、ホームはごった返している。明らかに平常の土曜日よりも客が多い。ホームにはカメラを携えたマニアが多い。特に、新快速が主に発着する4番線(昨日までの5番線)は狭い片面ホームだということもあって、マニアと見物客と電車を待つ客が入り乱れている。この前の10時23分発の新快速で出発式を行ったらしく、薬玉や看板の後片付けがなされている。
 地下道から遥かに遠い片面ホームに発着させるとは、随分新快速も冷遇されている。京阪神では特急を押し退けてでもいいダイヤやホームを取って、紛れもない看板列車である新快速も、ここまで来れば特急の影に隠れるのであろうか。今後どこまで地位向上するか、見ものだ。新快速と北陸線普通の乗換が同じホームでできるようにしようとするとこうなるのだろうが、ホームは長いのだし、両者を同じ5番線(昨日までの4番線)の北寄りと南寄りに並べて停めることはできないのだろうか。

 姫路を8時10分に出た11時14分着の新快速が、やや遅れて姿を見せた。ホームに客が多いからか、元来制限がかかっているのか、時速20キロくらいでそろそろと入線する061021_112201(写真左) 。223系4輌の車内は通路までぎっしりと都会のラッシュ並みの混雑である。その客が狭いホームに下りて、地下道の方へ押し寄せていく。降りるだけで三分くらいかかっている。旗を立てた添乗員や旅行会社のワッペンを付けた客もいる。 

 そうしている間にもう一編成の223系4輌の回送列車がなぜか「米原」の行先を出して5番線に到着する。後で分かったが、これは留置線での展示用に来たものであった。駅構内の広大な留置線に、各種車輌がマニア向けに、撮影しやすい間隔を置いて展示されているのである。時間を定めて敦賀運転所の側から線路の中まで入れるようだが、7番線ホームからでも撮影できる位置ではある(写真右の左の一枚。左の水色のラインが直流区間の普通列車用125系、右のブルーのラインは交直流区間にまたがって走る普通列車用で新快速とよく似たスタイルの521系、こちらは来月から就役予定。後にこの右側の線路に回送で到着した223系も加わった。右の一枚はラッセル装備のDE15形ディーゼル機関車、奥に「日本海」と「トワイライトエクスプレス」のヘッドマークを付けた電気機関車も見える) 061021_113055_1 061021_112949 

 2番線には125系の2輌編成が「長浜」の行先で停まっている。昨日までとうってかわって、敦賀駅はJR西日本の最新世代の電車が目白押しとなっている。そこへ、福井行普通列車として古めかしい419系が、こんな所に私が来てもよかったかな? ととまどいながらのように入ってきた061021_113406_1 (写真左)。これはこれで遠からず引退の日が来そうなので、マニアがカメラを向けている

 一旦改札を出てみる。駅前ではタケカワユキヒデさんらのコンサートが行われている。敦賀市の観光事業が『銀河鉄道999』とタイアップして行われているためだが、どういう因縁があるのかはよく知らない。ともあれ、今日明日を中心に、敦賀とその周辺ではダイヤ改正を記念し新快速とそれに乗ってくる観光客を大歓迎するイベントを、町を挙げてやっているところだ。
 わたしはぶらぶらと港の方まで歩いていき、物産展を冷やかした。屋台には懐かしい明石焼(明石では玉子焼と呼ばれる)があったので、それを昼食にする。

 今日からは999のイラストが書かれたバスを用いて、市内の観光地を回る周遊バスの運行が始まっているし、従来からのコミュニティバスもある。わたしはコミュニティバスを捕まえ、駅に戻った。ステージの周辺には、『銀河鉄道999』のキャラクターのコスプレをした出演者の姿が見える。
 改札口上の発車案内には、当然だが昨日までなかった「新快速」の種別が表示されている061021_130242 

 再び4番線に行ってみると、朝よりは人が減っている。しかし、新快速を待つ客は、どの辺にいればいいのか分からず、うろうろしている。北陸は、ラッシュ時以外普通列車に整列乗車する習慣がないので、このホームには乗車位置のペイントもないのである。整列乗車が確立している京阪神から来た客は、これでは不安であろう。やがて新快速が到着する。朝のようにぎゅうぎゅう詰めではないものの、やはり立客がある。
 折返し列車は終着駅に着くと直ちに行先表示を換えるのが通例だが、撮影者に配慮してか、暫くの間「新快速/敦賀」の表示を正面側面ともに出したままにしてくれている061021_131812 061021_131927 (写真左)。これが大阪でも神戸でも表示されているのかと思うと、なかなか感慨深い。

 
 7番線から13時19分発の長浜行普通が125系2輌、さっき2番線に停まっていた編成で発車していく061021_132014_1 (写真右。ちょっとシャッターが遅かった)。これも通路までそこそこ客がいる。
 続いて折返して4番線から13時23分発新快速網干行が同じくらいの客を乗せて出て行く。

 もう一回発着を見たいような気分なので、一時間待合室でジュースなど飲んで過ごす。その間に寝台特急「トワイライトエクスプレス」札幌行が発着する。マニアにも子供にも一番人気の豪華列車も、今日ここでばかりは主役ではない061021_134613 (写真左)

 やがて再び新快速のメロディホーンが響いてきた。

(平成18年10月21日訪問)

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