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新青森駅

 乗りつぶしをするときは、大抵「鉄道乗車記録」のカテゴリーに似た内容になるのだが、今回はむしろ、「駅を見る」に近くなる。新青森駅に降り立ったことで、ほぼ終わっているからである。

 ともあれ、今年の1月、東北新幹線新開業区間に初乗りした時の新青森(しんあおもり)の様子を綴る(当然、震災による不通よりも前のことである)

 函館(はこだて)からの「スーパー白鳥」で新青森駅に着いた。JR北海道の編成で、車掌も北海道の人だっくたが、青森で東日本の車掌に交替した。一駅のために交替する方が非効率のように思うが、なぜこんなことになっているのだろう。

 ともかくも、新青森のホームに着いたのだが、在来線は島式ホーム一面だけの小規模な駅である。これでも新幹線連絡のために整備しなおされたのであって、以前は確か、片面ホームが単線に面しているだけの、行き違いもできない最小規模の駅であった。
 それが今や、特急の始発駅である。しかも、在来線ホームから、新幹線の巨大な駅舎を見上げることができる。変われば変わるものである。

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 一旦改札を出てみたが、ずいぶん殺風景で、自由通路には何もない。壁や柱は最近の新駅によくある木目調が採り入れられている。

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 エスカレーターを降りて、駅ビルの中を見てみる。駅自体よりも、駅ビル内で買物や食事をする人による賑わいの方が、豊かな様子だ。
 土産物屋には新鮮な魚介類や名産のリンゴなどが並んでいて、買い物客はこれがめあてである。食べ物屋は小規模なものがいくつか並んでいるが、どれもさほどの個性はない。その一つで食事をとったが、お世辞にも洗煉された接客や味とは言えない。駅の立ち食い蕎麦などを大きくしたものとでも考えるしかなさそうだ。

 今度は、新幹線の改札を入ってみる。意外に、新幹線のコンコースの方が、ゆったりとして落ち着いた時間を過ごせることに気づく。
 トイレは入口が大きな自動ドアになっていて、トイレらしい猥雑さは全くない。それで、わたしは目の前にあるというのに、トイレはどこだろう、と暫しまごついたほどだ。
 コンコースの一角には、広い待合室が設けられている。テーブル席やカウンター席があり、ちょっとしたカフェのようだが、もちろん利用は無料である。飲料の自動販売機が設置されているし、長居したくなる感じだ。読書やパソコンを広げての仕事もしやすい。電光式の発車案内も設けられており、空港のラウンジにも近い。始発・終着駅なので、さほど改札内の待合室に需要はなさそうなのだが、よくぞこんな落ち着いた設備を造ってくれたものだ。
 同様に、改札内コンコースの売店は、仕切りの中にあるちゃんとした独立店舗であり、駅の中の店にしては規模が大きく、品揃えも豊かだ。

 待合室からは駅前広場を見下ろすことができる。十和田湖などに向かう観光バスや、青森市街とを結ぶ市営シャトルバスなどが発着するが、新幹線も毎時一~二往復の運転なので、それほど頻繁に賑わうわけではない。

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 ホームに上がると、ホームドアも完備している。通過列車はないのに用心深いが、ホーム幅をいっぱいまで使えるのがいいのかもしれない。

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 ここから東京行「はやて」に乗ったが、青森市街を南側に避けて、やがて八甲田(はっこうだ)トンネルに入る。このトンネルは全長26キロ以上に及び、青函(せいかん)トンネルに次いで日本第二位の長さの鉄道トンネルだ。すなわち、陸上のみのトンネル、あるいは、新幹線のトンネルとしては日本一ということである。そんなトンネルだから、これを抜けるとすぐに七戸十和田(しちのへとわだ)駅を通過する。その後はまたトンネルを出たり入ったりして山地を辿り、八戸(はちのへ)に着く。
 ようするに、車窓を愉しむような区間ではなく、新青森の駅を見れば十分、という妙な区間だったわけである。

(平成23年1月訪問)

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