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福鉄部分運休時の代行バス

 去年の晩秋、11月30日(日)に福井鉄道の日野川鉄橋811291354(家久~上鯖江間)工事のため神明以南をバス代行する、というニュースがもたらされた。
 これは地元の鉄道線の大イベントだな、と思って、楽しみにしていた。一昨年廃止になったバス福武線の再現が見られるかもしれない。趣味的にはこたえられない。

 前日には既に代行バス用の停留所ポールも立った(写真右は、水落臨時停留所。旧福鉄バス水落停留所跡)。バスの時刻表もここに掲示されている。

 当日、早速様子を見ようと、神明駅に向かうと、どうも様子がおかしい。代行バス用の車輌が屯しているべき駅前広場にその姿はなく、神明駅の南側の踏切が鳴ったりしている。日付は間違ってないよな、とケータイを確認する。今朝のNHKニュースの交通情報でも、一部区間バス代行が伝えられていたのだが。
 これは一体何事であるか。

 駅の中に入ってみると、貼紙があった。今日は悪天候のため、バス代行は中止した、とある。悪天候だと中止する、などという予告は全くなかった。電車と代行バスとではダイヤは異なる。これでは予定が狂う人が出るのではないか。悪天候といっても、雨がぱらついている程度なのだが。
 憮然と帰宅したが、翌日福鉄の彩図に再び告知が出た。バス代行は12月7日(日)に延期する、そして当日が悪天候の場合は14日(日)に再延長する、とのことだ。それほど天候に関係のあることなのだろうか。

81271260 7日も前日に降った雪が残って路面が濡れているが、大丈夫だろうか、と心配しながら再び神明駅に向かう。幸い、今日は実行されているようである。駅舎横のバス待機スペースには代行バス用の車輌が入っている(写真左は、神明駅で待機する代行バスの車輌。1番線で発車待ちの電車も見える)。貸切仕様のバスが使われるのではないか、と予想していたが、意外にも路線車である。
 電車は、三十分毎に神明~田原町間を普通が往復する臨時ダイヤになっているが、下りの代行バスが着いた時には電車がドアを開けて待てるよう、1番線と3番線からの交互発車としていて、折返時間を多くとっている。3番線は直接折返せるが、1番線には福井方面からは進入できないので、2番線に到着、水落で折返し、1番線に入れていた。つまり、二本に一本は神明~水落間を回送運転したわけで、それなら水落まで営業したらいいのに、と思うが、案内が煩雑になるからやらないのであろう。 81271282

 早速代行バスに乗ってみることにする。
 神明駅から出たバスは、旧国道8号、つまり旧バス福武線の通っていた道をまずは南下する(写真右は、神明駅~水落臨時停留所間の旧8号を行く上り武生新行代行バス)。この道を、客を乗せた福鉄バスが走るのは久しぶりである。
 旧水落バス停にある水落臨時停留所を経て、西山公園臨時停留所は、旧鯖江市役所前(現・つつじバス市役所)バス停と旧西山公園(現・つつじバス西山公園)バス停のちょうど中間あたり、西山公園駅からまっすぐ旧8号に出た地点にポールが立っている。
 西鯖江臨時停留所は、旧西鯖江バス停の位置である。南行は西鯖江交叉点南詰、北行は同交叉点北詰のバスベイ(現・つつじバスサバエシティーホテルバス停)に設けられている。

 バスは西鯖江臨時停留所のすぐ先の交叉点を左折した。これも意外だった。旧8号を武生まで行くものと思っていたからである。福鉄の路線バスが走ったことのない道に入っていく。できるだけ線路に沿って運行しようということらしい。
 上鯖江駅の至近に設けられた上鯖江臨時停留所(つつじバスふれあいみんなの館・さばえ停留所近く)に着き、ここで時間調整のため数分停車。
 発車すると、線路をくぐる掘割を抜ける。これがなかったら、線路沿いの運行は難しかったろう。サンドームを左手に見て右折、工事中の日野川鉄橋と並行する白鬼女橋を渡る。鉄橋のたもとには重機が入って作業しており、堤には線路の路盤が置かれている。路盤を入れ換えているのだろう。新しい路盤は、以前足羽川の仮橋(市内線公園口~市役所前間)に使われていたものだと聞いた。
 白鬼女橋から左折した堤防上で、下りの代行バスと擦れ違う。この道は昔からの北陸街道である。そのためこの先、狭く、緩いカーブが続き、両側が建て込んで見通しがきかない。そのため、わたしはこの道にバスを運行するのは無理だと思っており、だからこそ旧8号を経由するのだろうと考えたのである。
 しかし、バスはその屈曲した区間に進んでいく。対向車が来るたびに停止または徐行して道を譲り合う。しかし、バス同士の離合は不可能である。なるほど、上鯖江での時間調整は、この区間でバスが出会わないよう、早発ぎみのバスを定時に戻す意味合いだったのである。

 家久駅近くまで来ると、狭い交叉点を右折、踏切を渡る。このみちは、もはやバスが通れば幅一杯なので、ガードマンが二人立って対向車を止めている。   8127134381271340  

家久の臨時停留所は、駅の南方、越前市民バス家久駅バス停と同じ位置にある。ここでちょっと降りてみた(写真右は、狭い踏切を渡る代行バス、及び、家久臨時停留所南行のポール)
 古びた駅舎には案内の係員が立っていて、電車に乗りに来た客に、バス停の位置と時刻を教えている。

 次のバスで一駅進んで、西武生臨時停留所で降りてみることにする。8127139581271391行き交う代行バスを眺めていると、ほとんどが最新型のノーステップバス(福鉄はノンステップバスと言わず、なぜかこう呼ぶ)を使っているが、一台だけ赤い名鉄カラーの旧式高床車が交じっていた。本来の電車の高床・低床車の比率と合わせたようで、面白い。
 西武生臨時停留所は、武生車庫の前であった(写真左は、西武生臨時停留所南行ポールと入庫している手前の越前市民バス車と奥のつつじバス車、及び、北行ポールとその向こうに並ぶ貸切車群)
 バスを存分に眺めてから、武生新に向かう。

 武生新では、駅西側のバス乗場で乗降ともに扱う。81271322 81271324
 神明行の代行バスはここから一旦南へ向かって発車し、越前市の中心街をループするかたちで、再び西武生方面に向かうのである。
 武生新駅の構内には、高床電車全編成と低床車数編成が手持ち無沙汰に休んでいた。今日の神明以北は、低床車ばかりで運用されているのである(写真右は、ひっそりと電車が休む武生新駅、及び、JR武生駅前を右折して神明に向かう代行バス)

 81271515 その後、神明に戻って、電車に乗り継ぎ、福井市内まで行ってみる。
 臨時ダイヤでは、上り電車だけがヒゲ線に入って福井駅前に発着することになっている。通常ダイヤでは、平日朝に運転される田原町発神明行普通は福井駅前を経由しない。だから、ヒゲ線で神明行を見ることは、珍しい(写真左は、ヒゲ線から出てこようとする上り神明行)

 このような感じで、趣味的には大変楽しい一日を過ごさせてもらった。
 この日の代行バスの経路は、下の地図のとおりである。

 なお、おまけを付け加えておく。
 これは突発的な事故によるものだが、今年の1月22日にも、市内線区間が運休となり、福井新~田原町間でバス代行となった。トレーラーが交叉点を右折する際に架線を切断して、けしからぬことにそのまま走り去ったことによる停電で、電車が止まってしまったのである。91221262 91221391_2
 この時も、路線バス用の車輌が、「電車代行」の方向幕を掲げて活躍したほか、普段は見られない「福井新」の方向幕で走る電車が見られた(写真右は、福井放送会館前臨時停留所付近を行く代行バス、及び、「福井新」の行先で神明に到着した下り普通電車)

 

 

(平成20年12月7日/平成21年1月22日の模様)

 

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