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神戸市バス新路線 平成21年

 今年も、年度はじめに神戸市バスの路線変更・新設などがあった。
 神戸市バス完乗タイトル防衛のため、所用などで関西に出かけたついでにちょこちょこと立ち寄ろう、と思っていた。ところが、そこに新型インフルエンザがよりによって神戸で感染確認され、不急不用の神戸行が職場で禁じられた。それを挟んだので、結局六月までかかってしまったのである。

 従来の交通局彩図がリニューアルされたのはいいのだが、これまでまとめて表示されていた路線変更・ダイヤ改正などのニュースが見られなく、もしくは見にくくなった。わたしもうっかり見過ごすところであった。

 まず、26系統(JR六甲道(ろっこうみち)~海星病院(かいせいびょういん)廻り~六甲(ろっこう)ケーブル下(した))の経路変更である。バスの便に恵まれなかった狭隘道路沿いの住宅街と病院の足を確保するために、二年前に開設された地域密着型路線である。これの経路が一部変わったのである。
 路線開設時にはJR六甲道から乗ったので、今度は六甲ケーブル下から山を下ってみることにする。休日だったので、六甲ケーブル下停留所の16系統乗場には、ケーブルからバスに乗継ぐ客が列を作っている。各鉄道線の駅に出るには、16系統がメインルートである。
 そのせいか、26系統を待つのはわたしだけであった。恐らく、26系統は一つ下の昭生病院前(しょうせいびょういんまえ)まで上がればいい系統なのだろう。六甲ケーブル下までは単に転回のために運行していると思われる。
 それを裏付けるように、昭生病院前で、一気に三人も乗る。そこから炭山橋(すみやまばし)・六甲台西(ろっこうだいにし)と26系統しか停まらない停留所では一人二人と乗ってくる。系統自体の存在意義はあるようである。山麓まで下りてきた神戸海星病院前(こうべかいせいびょういんまえ)でも乗車があり、小型ノンステップバスの席がほぼ埋まった。休日だから、見舞帰りの客であろうか。狭く急な道しかないので、通院も見舞も骨が折れたろうが、バスが通じて喜ばれているだろう。
 さて、路線はここから逆コの字型を描いて2系統に合流するのだが、このときに南行する道が、一本西に移った。これが今回の変更だ。それにより、長峰中学校下(ながみねちゅうがっこうした)停留所が新設され、このJR六甲道行便のみ、護国神社前(ごこくじんじゃまえ)にも停まる。護国神社前は2・18系統と共同の既設乗場で、たまたまそこに停留所があるから停まる、という感じだ。結局この便は両停留所での乗降はなく、今回のルート変更で恩恵を受ける人がどれだけいるのかはよく分からなかった。

 次に、裏六甲に転じて、62系統(有馬中学校前(ありまちゅうがっこうまえ)~藤原台北町二丁目(ふじわらだいきたまちにちょうめ))の新設である。六十番台は北区方面の系統に主に付けられてきたが、62系統「新設」、と聞いてわたしは、あれ、62って欠番だったっけ? と思ってしまった。以前神戸電鉄の谷上(たにがみ)駅と神戸北町(こうべきたまち)を結んでいた系統がこの番号だったが、そういえばそれが廃止された後、この番号は使われていないのであった。以下に説明するようなこの系統の性格からみると、62という好適な番号がよくぞ空いていたものと思う。
 有野(ありの)団地には、神戸電鉄の五社(ごしゃ)駅を起終点として団扇の形に循環する63系統が古くから運行されている。しかし近年、五社の一つ三田寄りの岡場(おかば)駅周辺が開発され、大規模な商業施設や病院ができた。そして市バスのみならず各社バスの路線も集まり、岡場駅は一大交通拠点となった。その結果、利用客も五社駅よりも岡場駅への志向が強くなってきた。
 それで、新設の有馬中学校前から有野団地循環線の西側を通って岡場駅に向かう62系統が新設されたのである。なお、循環線の東側には、従来から60系統(有馬温泉(ありまおんせん)~岡場駅)が63系統と並行していて、岡場への足は確保されている。
 起点の有馬中学校前は、この周辺の系統を担当する有野営業所の近くにある。元々63系統に運用されるバスが五社駅に回送される時に通っていた道の途中だ。妙な所から出発したバスは、ほどなく63系統が循環するバス道に合流する。94181195 94181192 94181170
 次の有野台八丁目(ありのだいはっちょうめ)から五社駅まで二停留所分往復することになる。63系統の団扇でいう柄の部分である。往復しても、乗る客はなく、わたしだけを乗せている。有野台八丁目まで戻ると、63系統の逆廻りで有野台一丁目(ありのだいいっちょうめ)・切畑公園前(きりはたこうえんまえ)と経由していく。切畑公園前でようやく親子三人連れが乗る。その先で今度は60系統と合流して、岡場へと下っていく。岡場駅からさらに先、済生会病院に近い藤原台北町二丁目方面にバスは向かうが、そこは60系統で乗ったことがあるので、わたしは岡場駅で降りた。
 それにしても、ほとんどの停留所が60または62系統の共有か近傍となり、外堀を埋められたかたちの63系統は、すっかり影が薄くなっている。四半世紀前頃は、昼までも十分毎くらいに運転されていたと記憶するが、今や概ね一時間毎にまで減っている(写真右の左は、後方の有野営業所から出庫してきた62系統のバス。右の中は、有馬中学校前のバス停標柱。右の右は、岡場駅で乗車扱中の62系統有馬中学校前行)
 
 最後に西に移り、市営地下鉄西神線名谷(みょうだに)駅を起点とする北落合(きたおちあい)方面循環系統である83系統が、やはり一部経路を変更した。
 先の26系統と同じく、循環が少し大回りになったのだが、このことによって、白川台(しらかわだい)団地を南北に縦貫する70系統が通る立派な幹線道路を陸橋で越えて東側に出、その道路の側道とも見える道を北上する。そこに城山橋(しろやまばし)という停留所が新設されたが、ここで結構乗降があったので、需要に合わせたと言えるだろう。ここから階段で幹線道路に下りれば、70系統の白川台センター停留所にすぐなのだが、そういう上り下りもわずらわしいのであろう。
 再び陸橋を渡って、従来の路線に戻る。北落合六丁目(きたおちあいろくちょうめ)~城(しろ)が谷公園(たにこうえん)と住宅街の狭い道を一周してさらに西進する。ここから76系統に合流する神(かみ)の谷七丁目(たにななちょうめ)まで、周囲は住宅街であるにも関わらず停留所がなかったが、この路線変更と同時に、北落合四丁目(きたおちあいよんちょうめ)停留所が途中に新設された。当然乗降があり、重宝されていると分かる。 96061972_3 96061991_3 96061971_2
 なおこれによって、名谷駅前から83系統でしか行けない最遠の停留所はこの北落合四丁目になったのだが、名谷駅前発車時の前面方向表示は従来の「北落合6丁目」のままである。これは改めていいと思う(写真左の左は、名谷駅前に着車する83系統バス。左の中は、北須磨文化センター前停留所の標柱。左の右は、神の谷五丁目停留所南行の時刻表で、午前中は83系統だけが神戸医療センター経由で名谷駅前に向かうが、午後は76系統も加わるのが分かる)

 いずれも、客の流れや需要に合わせての細かい変更だが、こういうことをして生き残っていくのが公営バスのとるべき途なのだろう。同じ公営バスでも、都市の交通局が運営する路線バスと、ささやかなコミュニティバスとでは、以前は厳然たる貫祿の差があったが、この頃は境界がなくなってきたように感じる。

(平成21年4~6月乗車)

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