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阪神なんば線の西方への影響

 阪神なんば線が開業して半年あまりになるが、同線の開業は、阪神本線やそれと直通する山陽電鉄にも当然影響している。この記事では、主に神戸方面の変化をみてみよう。

 なんば線開業に伴うダイヤ改正では、阪神本線~山陽電鉄線の「直通特急」にもやや変化があった。

 従来から、「直通特急」には種別色が赤のものと黄色のものと二種類あった。黄色の方が停車駅が多くて、赤色に加えて西元町(にしもとまち)・大開(だいかい)に停車していた(写真左の左は、御影に進入する山陽車による姫路行の赤色表示の「直通特急」。左側には近鉄車の近鉄奈良行「快速急行」が見える。左の右は、山陽車による「直通特急」の側面方向幕)94181570 94181481
 これは、昼間のダイヤパターンが、阪神は十分ヘッド、山陽は十五分ヘッドであることによる。阪神線内では「直通特急」「特急」を合わせて十分毎に走っているものが、山陽線内で「直通特急」のみ十五分毎になるため、「直通特急」の半数を途中で五分遅らせないといけない。それに加えて、それまで西元町・大開に停車していた阪神「特急」を格上げして「直通特急」を増発した経緯があるので、両駅の乗車チャンスを確保する必要があった、という事情もある。

 それが、今年三月の改正では、この黄色の「直通特急」が、西代(にしだい)・東須磨(ひがしすま)・月見山(つきみやま)・須磨寺(すまでら)にも停まるようになった。ということは、三宮(さんのみや)~山陽須磨(さんようすま)間が各駅停車になった、ということである。
 これには賛否両論がありそうである。JRの新駅である須磨海浜公園(すまかいひんこうえん)に近い東須磨から須磨寺のテコ入れ策として「直通特急」を停車させる、というのはいちおう解る。これらに停車させると、西代だけが通過駅で残ってしまうので、いっそ各駅停車に、となるのもまあ解る。しかし、三宮から山陽須磨までは、途中駅が十一もあり、この間を各駅停車するものを特急と称するのはどんなものか、とわたしも思う(写真右は、阪神車による黄色表示の「直通特急」とその側面方向幕表示)94181561 94181562
 確かに阪神「特急」は今でもこの区間を各駅に停まっているが、阪神「特急」は須磨浦公園(すまうらこうえん)折返だから、ここはいわば末端区間である。「直通特急」は、行路半ばでこの足踏みが発生する。これは、優等列車のイメージとしてよくない。所要時間もさることながら、駅を通過してこその特急であり、乗っている人も速く感じるのである。東須磨は緩急接続できるようになっているのだから、ここで「直通特急」が「普通」と連絡して追い抜くようにすれば、月見山や須磨寺に「直通特急」を停める必要はなくなる。そうした方がいいと思う。余った時間は、従前のように、高速神戸(こうそくこうべ)・新開地(しんかいち)などで調整するようにすれば、神戸電鉄や阪急との接続にも余裕ができる。

 そして、種別も混乱ぎみである。黄色の「直通特急」と阪神「特急」との停車駅の違いは、須磨浦公園に停まるかどうかだけである。「直通特急」も、休日などに須磨浦公園に臨時停車することがあり、そうなると違いはなくなる。両方を「特急」と呼べばいい。
 一方で、早朝にしか運転されなくなったものの、山陽電鉄の「特急」は西代・東須磨・須磨寺を通過するので、「直通特急」と山陽「特急」の地位が逆転することになる。
 さらに、「直通特急」は阪神車と山陽車で種別表示も停車駅も共通であるのに、阪神「特急」と山陽「特急」とは全く異なるものになっている。このへんも統一した方がいいのではないか。早朝の山陽「特急」を「直通特急」と呼んでも支障ないはずである。あるいは、この山陽「特急」を山陽須磨以東各駅停車にしても、さほど支障はないはずである。
 とはいえ、やはり、「直通特急」は、両社の看板列車として、緩急接続などでカバーできる限り、停車駅を削る方向で考えるべきだろう。

 このあたりがちょっと割り切れない変化だが、他にも細かいところに変化がみられる。

 例えば、近鉄車が乗り入れてくるようになった阪神の三宮駅だが、近鉄の特急券が窓口で買えるようになっている。窓口の装丁も、近鉄の駅のものと同じである。いずれ近鉄の「特急」が乗り入れてくる伏線であろうか。しかし、そうなると、ますますややこしい。近鉄「特急」は全車指定席の別料金が必要な列車であるから、「直通特急」や阪神「特急」ともまた別ものである(写真左は、阪神電鉄三宮駅にある近鉄特急券販売窓口)94181465

 また、三宮駅の案内表示も、近鉄線内を含めた表示になっていて、路線の拡がりを感じさせる(写真右の左は、三宮駅切符売場の料金表。右の右は改札内の乗場案内)94181472 94181471

 線路がつながるのは便利でもあるが、運転系統は複雑になり、調整するべき事項も増えていく。神戸高速鉄道だって、初めはぎくしゃくしていたが、三十年ほどかかってやっと本来の姿になった。これからまだまだ変化が続くであろう阪神なんば線が楽しみである。 

(平成21年10月執筆)

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