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神戸市バス北区の移譲路線

 神戸市バスは、新路線が開設される一方で、事業の民間移譲も徐々に進んでいる。周辺の中小の都市や大阪市などで、市営交通の民営化が進んでいるので、それの影響も受けているのだろうか。
 車庫の業務を民間に委託したり、路線そのものを民間に譲渡したりしてきたが、それぞれ最善の方法をとっているのだと思いたい。しかし、親しんできた市バスが徐々に縮小していくのは、ちょっと寂しい。

 ともあれ、今春も北区の路線を中心に、民間譲渡が実施された。その譲渡前の姿を3月に見ておこうと思った。

 既に民営バスと共同運行となっている系統は、当然といえば当然だが、その会社に譲渡されることとなった。
 下は、鵯越(ひよどりごえ)駅前に停まる150系統(神戸駅前~ひよどり台~しあわせの村~西鈴蘭台(にしすずらんだい)駅前)の神戸駅前行阪急バス便である。古くは神戸電鉄が運行していた路線でもある。

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 西鈴蘭台駅前行市バス便が来た。

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 この系統を担当していたのは落合(おちあい)営業所だが、そこの業務は神姫(しんき)バスに委託されているので、バスは市のものだが、乗務員は神姫バスの社員である。それが阪急バスと共同運行しているのだが、この系統は阪急バスから同系列の神鉄バスに運行が委託されている。さらに、この西神戸道路には神姫バスそのものも運行されているのだから、ややこしい。
 西鈴蘭台駅前に着くと、ちょうど神戸駅前行の便が発車待ちしており、市バスが二台並んだ。間に挟まっているのは神鉄(しんてつ)バスである。ここでのこんな光景も見られなくなった。
 

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 神鉄バスは、かつての神戸電鉄のバス部門を分社化したものだが、鈴蘭台地区内の路線だけを残して阪急バスに移管された。しかし、かつて運行していた路線はだいたい運行を受託されている。要するに、系列内の組織変革だったわけだ。

 ここにはさらに158系統(しあわせの村~西鈴蘭台駅前~谷上(たにがみ)駅)も来ているはずなのだが、ちょっとその乗り場を探すのに手間取った。谷上方面乗り場はこの駅前ロータリー内ではなく、ちょっと離れた所にある。
 この系統も同じく阪急バスとの共同運行であったが、現在は阪急バス単独の運行となった。幸いほどなくやって来た谷上駅行も、市バス便であった。終点谷上駅で写真に収める。

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 今度は、神鉄に乗って岡場(おかば)に移動する。岡場駅をターミナルとして、周囲の住宅地や観光地を結ぶ市バス路線が広がっている。が、ここもネットワークが神姫バス・阪急バスと入り組んだかたちになっている。この地区を運行するのは有野(ありの)営業所だが、この営業所の業務は阪急バスに委託されている。

 系統数が多いので、けっこう途切れることなく市バスが来た。中型ノンステップ車が大半である。
 写真左は、67系統(岡場駅前→藤原台中町(ふじわらだいなかまち)4丁目→藤原台南町(みなみまち)→地域福祉センター前→ 岡場駅前)藤原台南町方面行で、方向表示は「藤原台南町経由 地域福祉センター」となっている。これが団地に入ると、「地域福祉センター経由 岡場駅」と変わる。
 写真右は、有野台方面から来た60系統(有馬(ありま)~東有野台(ひがしありのだい)~有野公園~岡場駅~北神区民センター前循環)で、方向幕の車だった。
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 この60系統が済生会病院の方を一周して戻ってきた。その時には62系統(有馬中学校前~五社(ごしゃ)駅折返~切畑(きりはた)公園~岡場駅~北神区民センター前循環)が到着していて、一瞬両系統が並んだ(写真左)。60系統の側面方向幕は、写真右のようにそっけないが、わざわざ「行」の文字が入っているのが、素朴だ。

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 62系統有馬中学校前行に乗って、有野台団地に入ってみる。さっきの60系統は立ち客も出ていたのだが、今度はがら空きであった。それなのに大型車が充てられている。
 五社駅前の一つ手前、有野台九丁目で降りて、駅に向かって歩いていると、すぐに五社駅で折返した62系統がやって来る(写真左)
 五社駅の狭いロータリーには、昔からあるタイプの電照式停留所表示が立っている。向かいの降車場には、赤と緑の、これも伝統の市バスポールが立っていた(写真中)。
 そこへほどなくやって来たのは、有野台団地内循環の63系統だが、よく見るとさっきの62系統と同じ車である(写真右)

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 これらの路線は阪急バスの運行となる。この他、神姫バスと共同運行している68・69の両系統が、神姫バスに移管される。

 トリは、61系統(神戸駅南口~大学病院~鈴蘭台)である。この系統が移管される路線のなかでも最も歴史が古い。神戸電鉄→阪急バスとの共同運行も半世紀の長きにわたる。バス道の狭隘や輻輳のため、市バスのなかでも最後までツーマン運行で残ったことでも知られている。
 手狭な鈴蘭台駅前で方向転換しなければならないので、脇道に突っ込んでの切返しを要する(写真)。昔は車掌さんが誘導していたが、現在はタクシー乗場の整理を兼ねた誘導員が待機している。

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 この系統は市バス便に限って、大学病院前の代わりに新開地(しんかいち)~夢野(ゆめの)二丁目経由となる便もある。やって来たのはその便であった。方向幕は「(湊川(みなとがわ)公園回り)」と表示している。
 鈴蘭台付近の狭苦しい住宅地の道や、有馬街道の旧道を丹念に辿って、神戸駅前市バスターミナルを横目に見ながら通りすぎ、ガードを潜って南口に終着する。
 ここでも、発車待ちしていた鈴蘭台行と縦に並んだ。

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 この系統を担当する松原(まつばら)営業所もまた、阪急バスに委託されている。名実ともに阪急バスの路線となったのも、自然な流れなのだろう。

(平成25年3月乗車)

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