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あべの・上本町循環バス

 大阪の上本町(うえほんまち)にはよく泊まるし、あべの(天王寺(てんのうじ))界隈は学生時代によく歩いた。
 その二地域は近いし、ともにターミナル駅があるのに、両者を結ぶ足は乏しかった。少なくとも鉄道では一回の乗換えを要する。一応、市バスが結んではいるのだが、多数の系統のうちの一つの、それも途中区間であり、運転間隔もランダムで、分かりにくかった。
 しかし、この夏から、近鉄バスがこの二地点を二十分毎に直結するバスを走らせるようになった。両方に近鉄のターミナルがあって、しかも相互に直接連絡のない路線であるから、近鉄バスがそういう路線を今まで走らせていなかったのが不思議なくらいだが、大阪市バスの営業エリア内でもあり、規制緩和前には無理だったのだろう。
 面白いし便利なので、平成25年9月にこれを利用してみた。

 近鉄上本町(鉄道の駅名は「大阪上本町」だが)の乗場は、シェラトン都ホテル大阪の玄関前、関空リムジンバスと同じ所である。ノンステップ車が、リムジンバスの陰に隠れるように時間待ちをしている。

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 乗場には、リムジンとは別に、この路線用の行列サインが足元にテープで示されており、盛況をうかがわせる。平日の夕方だったが、ちょうど座席が埋まるぐらいの乗車率で、発車した。
 市バスのメイン路線は上町(うえまち)筋を運行するが、この路線は谷町(たにまち)筋を南下する。地下鉄四天王寺(してんのうじ)前夕陽(ゆうひ)ケ丘(おか)駅の南側に、四天王寺参道口停留所がある。ここは9月から新設されたものだが、ここでも一人乗車があった。
 そのまま南に向かい、JR天王寺駅とMioを左に見て左折、東進し、右側にある天王寺都ホテルのロータリーに入って転回する。夜間はここが発着場になるようだが、まだ夕方なのでそのまま道路に戻り、西行車線に出て、近鉄大阪阿部野橋(あべのばし)駅に接した路上停留場で、あべの橋終点となる。
 あくまで大阪阿部野橋駅とあべのハルカスに重点が置かれていて、それらに道路を渡らずに行けるよう、配慮されているのだ。この路線が開設された直接のねらいは、近鉄大阪・奈良線の客をあべのハルカスに誘導することだろう。

 学生時代に比べて、ずいぶん派手な町になった。見違えるようだが、ちょこちょこと懐かしさも感じる。まだ一部は工事中でもあるので、雑然としたあべのらしさも残っているのだ。
 
 

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 逆方向のバスにも乗ってみる。乗降場は同じで、近鉄上本町から着いた車がそのまま折返しとなる。運転の拠点は上本町側のようだ。バスが着く前から数人の列ができていた。
 乗車率は往路と似たようなものである。
 

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 四天王寺参道口ではやはり乗車があった。地下鉄の駅に近いとはいえ、上本町に地下鉄の駅はなく、徒歩連絡を要したから、このバスによって利便性が高まった人もいるのだろう。
 上本町にはUFURAなどの大規模商店や新歌舞伎座もあるし、近鉄大阪線の電車はここが始発である。

 バスは、千日前(せんにちまえ)通に右折の後、シェラトン都ホテル大阪の構内に入って転回し、さっきの乗場に着く。
 都会の迷路の盲点でもあった地区間の気軽なバスは、今後も人気を高めていきそうである。当初のねらいに沿った買い物客だけでなく、ビジネス・通勤の利用と見える客も少なくなかったし、そういう多目的に利用価値がある路線こそ、交通機関として熟していく可能性を秘めているからだ。

(平成25年9月乗車)

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