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つつじバス近況

 都市規模の割に充実した運行を続ける鯖江(さばえ)市コミュニティバス「つつじバス」のここ数年の様子をご紹介する。

 前回の記事「つつじバスの多士済々」以降、車輌が一新され、運行受託会社にかかわらず統一仕様となり、かなり見栄えがよくなった。
 また、第三セクターと思われる「つつじ」というつつじバスの運行株式会社も設立され、小型車2輌と中型車の運行を担当している。
 ワゴンタイプの車輌は新調はされなかったが、2輌あったのが1輌に集約された。以前はタクシー会社が受託していたが、現在は鯖江交通の受託に替わっている。もっとも、「つつじ」の所在地は相馬(そうま)タクシーと同じになっているので、相馬タクシー社が現在も運行と経営に間接的にはかかわっているのだろう。

 では、実際の姿をみてみよう。

 このタイプが小型ノンステップの標準車である。
 つつじのイメージからピンクを基調とした塗色で、鯖江市のマスコットキャラであるレッサーパンダのイラストがあしらわれている。

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 この写真は公立丹南(たんなん)病院前で時間待ちする車を撮影したものだが、地域の中核病院である公立丹南病院の改築・改修に合わせて、バス乗場も整備された。
 「公立丹南病院」の停留所は、路上停留所だったのが、病院敷地内に屋根と雪除けの着いたきれいな停留所が設けられたほか、ここでの転回も可能になったのである。これに伴い、神明(しんめい)駅発着の各線が公立丹南病院乗入れを果たし、利便性が向上した。福井鉄道の路線バス(鯖浦(せいほ)線)もここに寄るようになった。

 中型車は河和田(かわだ)方面の路線に主に使われるが、これもノンステップの新車に替わっている。こちらは越前漆器をイメージした赤と黒に塗装されているが、口の悪い人は、霊柩車みたい、と言う。

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 これは間合い運用とも言える中央線に入っているところである。

 これらの新しい車輌に替わったときには、PRのためにいろいろなキャンペーンが行われた。乗車券の配布、それに回数券を買った客につつじバスのチョロQをプレゼントしたりしていた。 

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 さて、以上のような標準車輌は、めいっぱい運行されているので、検査・故障時などは車輌が不足してしまう。そこで登場する代替車輌もなかなか面白い。

 鯖江交通独自の代替車輌は、以前からあるリフト付二扉車で、標準車輌導入により予備車となった。二扉だが、実際は標準車輌に合わせて前扉のみが使われている。写真は、北野町(きたのちよう)2丁目付近を行く鯖江交通代替車による中央線である。

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 また、越前観光はこれも以前から代替車として使っていたマイクロバスがピンチヒッターに出てくる。写真は本町(ほんまち)2丁目に着いた中央線である。

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 「つつじ」の代替車輌は中型と小型各1輌ある。いずれもなぜか白無垢の車である。つつじバスにしか使わないのならそれなりの塗装を施しては、と思う。
 下は、やはり中型車の間合い運用である立待(たちまち)線に入っている中型代替車で、公立丹南病院~神明駅間を走っている。

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 そして、次の写真は、JR鯖江駅付近を行く小型代替車による中央線である。

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 これは代替車ながらノンステップなので、サービスもそれほど低下しない。
 面白いことに、この小型代替車の車内には、「Suica・PASMOも使用できます」というステッカーが貼られたままになっている。カードリーダーなどは設置されていないのだが、どこか関東の方の会社から来た中古車らしい。 

 カードは使えないが、標準車輌には両替機内蔵の料金箱も設置されたので、これも使い勝手がよくなっている。
 さらに、つつじバスの公式彩図では、バスの現在位置がパソコンとスマホで見られるようになった。これは、雪国にはありがたいことである。荒天時にいつ来るとも知れぬバスを道端に立ち尽くして待ち続けるのはつらいものだ。このサービスのおかげで、バスが接近してから家や用務先、あるいは屋根のある待合所を出ればよくなった。GPSの付いた発信機をバスに備えつけてあるのだが、この発信機はポータブルなものなので、代替車輌の場合でもちゃんと発信される。
 このサービスは、鯖江市が力を入れている、ソーシャルデータを活用するとりくみの一環だそうだ。
 公式彩図には、忘れ物をした場合の問合せ先が表になっていて、それを見ればどの便がどの会社の受託かが分かる。

 こういうさまざまな近代化やが施されたせいであろうか、運転手さんの意識もかなり向上したように思う。以前のようなルーズな運行ではなくなり、早発や誤通過などをみることはまずなくなった。
 ダイヤの方は微修正されるのみで、平成19年頃から大きくは変わっていない。前の記事で指摘した鉄道との接続の問題も少しずつ改善されているが、つつじバスの側が改善したというより、鉄道のダイヤ改正によってたまたまよくなった部分も多い。
 また、ワゴンタイプの車の間合いを活用した「歴史の道線」という新路線が開設された。小回りの利く車輌を活かし、旧北陸街道を経由して鯖江駅と公立丹南病院など神明地区とを直結する路線である。もっとも、それほど利用がないとみえ、この4月から減便される。

 ともかく、これからも活発な運行を続けてほしいものである。

(平成26年3月執筆)

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