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福鉄ドイツ電車と工事中の田原町駅

 福井鉄道にこの3月に入線したドイツ電車「レトラム」は、土曜休日の昼間のみ福井駅前~田原町間を往復運転することになっていた。
 が、黄金週間を前にして調子が悪くなったのか、運休が相次ぎ、やきもきさせられた。せっかく多くの人へのお披露目の機会となり得るというのに、結局黄金週間のほとんど、運行中止となった。

 せっかくの新規導入車輌がどうしたことか、と心配になったが、黄金週間が明けた5月8日(金)に、10・11日の週末も運行中止、と発表された。ところが、10日の夜になって、急遽11日は運行する、と前言を翻す発表がなされた。福鉄のこういう情報は、公式Twitterアカウントによるツィートによって、最も迅速に発表されるので、チェックしておかねばならない。それはともかく、どうも落ち着かないことで、またいつダウンするかもしれない、と思い、乗ってくることにした。

 福井駅前の電停で待っていると、黄色い車体が徐々に近づいてきた。

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  電停に停車したので、外観をあれこれ観察する。方向幕にはシュツットガルト市内の行先がそのまま表示されている。そして、本来系統番号を表示する窓上の幕に、本当の行先が書いてある。
 ヘッドライトが二つ縦に並ぶ前面は、広島のハノーバー電車と同様である。
 車体側面の広告もドイツ時代のままだが、これはドイツ語に堪能な方に見てもらったところ、家具屋の広告とのことであった。 

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 意外だったのは、ドア部のステップの折り畳みが手動であったことである。電停に着くたびに、車掌がロックを外してステップを下ろす。このステップは福鉄に入るのに合わせて設置されたものである。自動にはできなかったのか、と思う。

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 そのステップを上がって車内に入ると、なかなか清潔感があって落ち着く内装である。四人掛けと二人掛けのボックスが並び、車端部のみロングシート、というセミクロスシートである。ボックス部には小さなテーブルも付いていて、ちょっとした飲物やお菓子など愉しむのもよさそうだ。

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 また、車内の壁には、ドイツ語の勉強のための掲示があちこちにある。シュツットガルトの路線図がそのまま掲示されてもいる。

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 そういう観察をしているうちに、発車時刻となった。
 ステップを上げてドアが閉じられたのは見えたが、動きだす瞬間に気づかなかった。古い電車だという先入観があるせいか、滑り出すような発車が予想外である。
 あまりスピードは出さないが、出さないのか出せないのかは分からない。路面区間にはちょうどいいのんびりした走りである。

 途中の仁愛女子高校で、五分ほど時間調整する。福井駅前と田原町、両終点の折返し線がそれぞれ一線しかない関係で、定期列車の運行を乱さないようにダイヤを挿入すると、調整が必要になるため、ここで数分停車する便が多い。それはそれで、じっくり観察や撮影ができてよい。
 仁愛女子高校の電停は、昨年度改修されたばかりである。以前は車道の中に狭い安全地帯があるだけの貧相な電停だったが、屋根や時刻表も備えた今風の電停に生まれ変わっている。富山の市内電車の新しい電停と同様の、明るいイメージになった。 

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 終点の田原町に着く。この田原町も、えちぜん鉄道との直通運転に備えて、改修工事の最中である。電車は仮設ホームに発着している。
 ここで電車を降り、改めて眺めて、福井駅前では気づかなかった側面方向幕の存在を知った。この方向幕には、きちんと実際の行先が表示されている。車内にも同じ行先が表示されるように考えて幕が作られているので、車掌が幕を回すと、逆向きの字のコマが現れたりする。昔の阪神電車のホームにあった発車案内のようだ。

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 ドイツ電車は、一旦奥の線路に引き上げられる。続いて定期列車の折返しをしなければならないからだ。
 田原町のえちぜん鉄道側駅舎も、一部を残して解体された。入口側から見ると、折返し中の定期列車と、その奥のドイツ電車が見える。
 えちぜん鉄道と反対側、フェニックスプラザに近い方の仮設ホームには、割と大きな待合室が設けられている。この少し前には、このホームが使われていたそうである。
 いずれは折返し線が二線に増設されることになるようで、コンクリート道床の線路が複雑に配線されている。

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 えちぜん鉄道駅舎からえち鉄の線路沿いにフェニックス通りの方に進んだ所には、仮設トイレが設置されている。いずれはきちんとしたトイレが造られるのだろう。
 田原町にあったコンビニの跡地は、工事のために立入禁止になっている。このコンビニの駐車場で福鉄バスが転回していたのだが、現在はできない。僅かに立札に名残がある。

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 さて、使用中の仮設ホームに、再びドイツ電車が着車した。またこれに乗って福井駅前に戻ることにする。
 急な運転告知だったためか、来る時もこの電車も、がら空きである。

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 なかなかこの電車の乗り心地は気に入ったので、また時間をみて乗りに来ようと思う。冷房がないので、夏季は運転しないが、秋に無事運転再開できることを祈りたい。

(平成26年5月乗車・訪問)


(平成26年10月追記)

 秋からの運行は、赤十字前~福井駅前~田原町に区間延長されたが、やはり車輌は不調気味で、9月上旬の運行開始早々から不具合が続出、一カ月近くの運行中止を経て、10月4日から再開した。
 ただ、それは結果としてであって、毎週の運行の有無が間際になるまで発表されなかったので、 遠来のマニアを中心に、かなりやきもきしたことである。せめて一週間前くらいには運行の有無を確定してほしいものである。

 そういうこともあって、運行のある日には、かなりの人が集まったようで、春と比べてもかなり人出が多かった。赤十字前~福井駅前は元々利用の旺盛な区間なので、たまたまレトラムが来たから乗った人も多く、注目を集めていた。


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