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鯖江(福井)付近の今春改正・変化など

 この3月から4月にかけて、福井県、とりわけ鯖江市周辺で実施されたいろいろな電車・バスの改正にまつわる姿を観察した。
 前半はバスが主となる。鉄道関係は終わりの方に少々。

 今回、福井鉄道の路線バスの改正で劃期的だと思ったのは、鯖浦線のJR北鯖江駅延伸である。鯖江市の交通政策に基づいての施策だが、JR駅接続が実現するのは驚きだった(下の写真は、いずれも公立丹南病院停留所に入る鯖浦線バス)

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 鯖浦線は、昭和48年までに全廃された鉄道の鯖浦線(水落~織田)の代替路線である。これまで、神明駅を起点に、西田中・織田方面とを結んでいた。一部便はさらに越前海岸のかれい崎方面にも直通する。
 当然、福鉄としては、西田中・織田方面からの客は自社路線で福井方面に運びたいので、神明発着としていた。JR北鯖江駅につないだ方が何かと便利になることは分かっていても、それは敢えてしなかったのである。
 それが、鉄道線廃止から四十年以上を経て、今回ついに実現した。JR大土呂駅付近には高校もあるし、これは英断である。福鉄も、JRと張り合っているばかりでは未来はなく、公共交通同士手を携える必要がある、と判断したのかもしれない。
 3月の福武線電車の改正で、JRの特急「ダイナスター」への接続をとるため、下り初発電車の時刻を繰り上げたりもしている。JRの並行路線である福武線が、JRとの接続を意図して時刻改正したのは、おそらく史上初めてだろう。

 北鯖江駅は無人駅で、駅の東西両側にバス停がある。
 東側がメインの出入口になっている。旧切符売場らしい所には、運行情報の表示盤が置かれている。
 東口の駅前には小規模なロータリーがあり、ここに鯖江市コミュニティバス「つつじバス」の停留所が置かれている。

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 福鉄の路線バスが入るのは、西口側である。以前は「裏口」だったが、駅が無人化されてからは、ホームからの歩道橋が整備され、どちらにもスムーズに出られる。もっとも、バリアフリーにはなっておらず、階段の昇り降りが必要である(下の写真は、北鯖江駅西口のバス停。福鉄バスと「つつじバス」のポールが立っている。後方の山には鯖江市のシンボルマークである眼鏡のイラストに「SABAE」と書かれている大看板が見える)

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 そこへ、鯖浦線のバスがやってきた。この便の方向幕は「織田」である。

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 残念ながら、わたしが二回北鯖江駅から鯖浦線に乗ったかぎり、他に乗客はいなかった。わたしは休日にばかり乗っているので、平日ならまた違うかもしれない。

 さて、鯖江市東部の方でいうと、福鉄バスの南越線、これもまた鉄道線の代替路線なのだが、これも延伸された。
 鉄道の南越線は、社武生~戸ノ口の間を結んでいた。戸ノ口は鯖江市東部の比較的大きな町である。昭和56年までに全線廃止、以降はバスが運行されてきたが、十年ほど前から、鯖江市への乗入れをやめ、越前武生~赤坂間の越前市内だけに短縮された。
 それが、この4月から、鯖江市の北中山公民館まで復活延伸されたのである。赤坂~北中山公民館は、バスでも数分の距離で、市境を跨ぐとはいえ、山越えなどあるわけではない。わずかに途切れていたバス路線を結んで、「つつじバス」と連絡できるようにしたものだ。また、延伸区間の途中にはハニーというスーパーもあり、買い物にも便利になる(写真は、北中山公民館で発車待ちの越前武生行南越線バス)

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 さて、スーパーといえば、先に紹介した鯖浦線の延伸区間の途中にも、「アル・プラザ鯖江」という市内随一のショッピングセンターがある。
 鯖浦線は朝の便を除き、ここにも立ち寄る。ここでは、休日もそこそこ乗降りがあるようだ。

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 そして、「つつじバス」も、これまでは駐車場の外側の道沿いにしか停まらなかったのを、こうして駐車場に乗入れ、アル・プラザの軒下に発着するようになった。これも、こうする方が便利なのは分かりきっているのに、コミュニティバス開設から十八年もの間、実現しなかったのである。今回の英断は評価されよう。
 今回改正で新設された「循環線」と「幹線」がアル・プラザ鯖江に入る(下の写真左は、アル・プラザ鯖江停留所を出発する「幹線」バス。右は国道8号側の出口から出ようとするバス) 。

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 「つつじバス」も、この4月に全面的に改編された。経路や停留所がかなりきめ細かくなった(下の写真左は鯖江公民館、右はポケットパーク前停留所。いずれも従来はバス運行のなかった道)。これまではジャンボタクシーで運行されていた短距離路線(鯖江東線・新横江線)も、小型ノンステップバスの運行に変更され、乗降が便利になっている。

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 今回新設された「幹線」は、市内各地区ごとの拠点(公民館など)と公共施設を手っとり早く結んで走る線であり、「循環線」(従来の「中央線」を改称)より大回りする環状線ともなっている。
 そして、公民館前の停留所には副称も付き、屋根付きの待合スペースが設けられている所も多い(下の写真は、今回新設の豊公民館停留所と、そこを発車する「幹線」バス。「花と緑のまち豊」という副称がついている。ここで豊線と乗継ぎできる)

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 そして、今回の改正の一つのコンセプトとして、通学利用の促進が挙げられる。従来は、あまり高校生の通学に好適な時間には運行がなかったのだが、この4月から「通学便」と称する便を各方面に設けたのである。

 通学便のほとんどは、鯖江市各地区から鉄道駅に連絡して、福井・武生・敦賀方面への通学の便を図るものだが、「市内高校ルート」だけは、逆に他の地域から鯖江市内に通学する学生・生徒のために設けられている。
 具体的には、丹南高校と福井高専への通学便がある。いずれも、鯖江や西鯖江の駅からは中途半端に距離がある学校だ(下の写真で、左と中はJR鯖江駅で発車待ちの通学便市内高校ルート第2便福井高専行。右は、JR鯖江駅前に今回設置された発車案内表示。遺憾ながら「経由」と「行先」が逆になっており、誤表示である)

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 クラブを終えてから帰れる時刻に下校用の便が設けられたのも、今回の特長である(下の写真は、福井高専で発車待ちの18時50分発市内高校ルート第3便。ここ始発で丹南高校を経由してJR鯖江駅行となる)

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 こういう暗くなってからの「つつじバス」の運行というのも、これまであまりなかったことである。

 さて、それでは鉄道の方も少し見ておこう。

 JRは、3月の改正から昼間の一部普通列車でワンマン運転を始めた。
 この車輌には以前からワンマン設備があったが、一時期小浜線に入っていたとき以外は、使われていなかった。自動放送や運賃表示器が新鮮である。
 正面右側窓には、行灯タイプの「ワンマン」表示がなされている。

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 福鉄福武線は、先に述べた初発繰上げの他は、若干の手直しにとどまった。
 公開されている時刻表で、従来の区間急行が「急/普」という表示に変わっていたので、区間急行という種別は一年で廃止されるのか、と思ったが、実際客向けには改正後も「区間急行」と案内している。
 時刻表は、内部資料のままの表示になっていたのだろうか(下の写真は、4月になってから水落で撮影した区間急行)

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 さらに、えちぜん鉄道だが、一部の駅が改称されている。
 しかし、こういうのは先のつつじバスのように、副称にしておいた方がいいのではないか、と思う。「下兵庫こうふく」などは、明らかに駅名に因んだ縁起物グッズで稼ごうという魂胆が見え、ちょっと興ざめだ。

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 以上、今春のさまざまな変化を点描してみた。

(平成29年3~4月観察)


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