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2018年10月31日

神戸市営地下鉄二題~ 快速復活・失敗路線

 神戸市営地下鉄の山手(やまて)・西神(せいしん)線で、「快速」の復活が検討されている、という趣旨の産経新聞の記事が、9月20日付で出た。

 同線には、震災前には「快速」が運転されていたが、震災で休止したままである。
 追越できる駅が名谷(みょうだに)しかないので、通過運転しても所要時間短縮につながらず、各駅停車を増発した方が利便性向上につながるから、という理由だ。それを、阪急との直通運転構想を見据えて、通過運転を復活させよう、という話だ。

 地下鉄は、例外もあるが、通過運転する速達列車の発想があまりない。
 黎明期の地下鉄は、都心部の短い距離を運行していただけなので通過運転の必要がない、並行していた路面電車に比べれば地下鉄自体が「急行」である、地下に追越し設備を造るのは高価につく、などの理由で、通過運転は検討もされなかっただろう。そのままなんとなく現代まできている。
 しかし、現代の地下鉄は、郊外に長く路線を伸ばしているし、その郊外に出れば地上を走行することも少なくない。一般の私鉄と大きな変わりはないのだから、通過運転の必要性は高いだろう。

 さて、阪急との乗入れを考えるなら、速達列車の種別は「快速」でなく「特急」だろう。
 阪急と地下鉄をどこで接続させるかは、いくつかの案があってまだ決まっていない。わたしは、阪急を王子公園(おうじこうえん)から分岐させて地下に入れ、中間に春日野道(かすがのみち)の代替となる地下駅(熊内(くもち)駅?)を設けたうえで、新神戸から地下鉄に乗り入れる案がいい、と考えている。
 新神戸は、単に新幹線連絡というだけでなく、異人館やハーブ園観光の入口でもある。それなりに商業・宿泊施設も集まっている。阪神間や神戸市東部から直接新神戸に行くルートが開拓されるとなれば、阪急独自の大きなポイントとなる。新神戸は北神急行の起点となるジャンクションであり、系列路線の客を自社線で大阪方面に運ぶことができる、という意味でも、阪急が新神戸に乗入れるメリットがある。

 特急は梅田(うめだ)から、十三(じゅうそう)・西宮北口(にしのみやきたぐち)・夙川(しゅくがわ)・岡本(おかもと)・新神戸・(地下鉄)三宮(さんのみや)・湊川公園(みなとがわこうえん)・新長田(しんながた)・名谷と停車する西神中央行を昼間十分毎に運転、普通電車は梅田~新神戸で運転すればよい。
 以前の快速は湊川公園に停まらなかったが、現在の阪急特急が新開地(しんかいち)折返しで、やはり系列の神戸電鉄からの客を受けているから、その代替に湊川公園停車は必要だろう。...
 そして、地下鉄は谷上(たにがみ)~西神中央で十分毎に各駅停車を運転する。現在の七分三十秒間隔よりも開いてしまうが、速達列車を運転することで利便性が向上するのだから、苦情は少ないだろう。上沢(かみさわ)で通過追越し、名谷で緩急接続するとよい。
 上沢に追い越し設備を設ける構想のようなのでそう書いたが、ついでに湊川公園に折返し設備も造り、ラッシュ時は、大倉山(おおくらやま)・県庁前にも停車する通勤特急などを運転すればよい。特急停車駅のホームは、無理にでも10輌対応に延伸する必要があろう。現在、神戸三宮で増結車輌の解結を行っているが、地下鉄の三宮でそれを行うのは、困難である。

 取り残されるかたちになる現・王子公園~神戸三宮~高速神戸の路線は、全ての駅に近接して他線の駅があることになるので、廃止してもいいだろう。それがもったいないなら、阪神か山陽の車輌で折返し運転すればよい。
 
 と、いろいろ妄想は拡がるが、産経が報じてから後追いする記事があまり出ないので、どこまで信憑性があるのか、分からない。 


 一方の海岸線は、なんとも景気のよくない記事が出た。10月4日付の神戸新聞記事である。久元喜造(ひさもときぞう)・神戸市長が、講師を務める大学院の授業で、地下鉄海岸線は失敗だった、という趣旨の発言をした、ということである。
 海岸線の建設を決めた時の市長ではないとはいえ、運行主体である自治体の首長に「失敗」と言いきられる海岸線も可哀想だ。

 が、確かにそうだと思う。海岸線は小ぶりな4輌編成のうち、女性専用車が1輌。それでラッシュ輸送もまかなえてしまう程度の輸送量だ。市長によると、ランニングコストさえ賄えていない、という。

 海岸線は、昭和46年に市電が全廃された時に、最後まで残った路線にほぼ沿っている。最終営業日の様子は、記事「神戸市電最期の日」に紹介したが、板宿(いたやど)~三宮阪神前がその区間であった。
 最後まで残るだけあって、そこそこ活況を呈していたようである。廃止後は市バスが代替したが、この区間は後年「都市新バス」方式のモデル路線に指定された。市バスとしても幹線と認められたからであろう。
 つまり、路面電車やバスとしてなら、じゅうぶんな需要があり、採算性も悪くなかったのである。そこにわざわざ高価な地下鉄を建設し、辻々の停留所から気軽に乗れる利便性を犠牲にし、長い編成(地下鉄としては短いが)を漫然と走らせ、赤字を日々増大させているわけある。
 海岸線の開通時には、並行する市バス系統は統廃合され、ネットワークが損なわれた。海岸線自体を他線と相互乗入れなどさせて活性化しようにも、ミニリニア地下鉄という独自の方式の鉄道だから、どの線とも直通しようがない。
 路面電車の連接車でも運べる程度の客しか乗っていないのであれば、市電の改良(一部区間の路下・高架化やセンターリザベーション化、車輌の低床・連接車化など)でじゅうぶん対応できたのだ。昭和四十年台にその発想をもてというのも無茶な話ではあったと思う(とはいえ、当時「高架市電」という、現代のLRTに近いような構想も、神戸市は発表していたはずだ)が、結果的に判断を誤っている、と言われてもしようがないだろう。

 わたしも、海岸線に関しては、活性化の奇策も思いつかない。かといって、廃止して埋め戻すのももったいないし、なんとかならないものか。

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