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2024年10月 4日

WESTERポイント全線パスの旅 点描(1)

 この夏は、JR西日本から、WESTERポイントで引き換えられる3日間全線乗り放題きっぷが、発売された。9000ポイントで引き換えることができる。
 これは魅力的なので、9月のお出かけに、ぜひ活用したいと思った。

 WESTERポイントを9000ポイントも貯めるのはなかなかたいへんである。たとえば、エキナカ店舗などの買い物で貯めるとすると、110円の購入ごとに1ポイントだ。9000ポイント貯めるには、99万円使わないといけない。
 が、てっとり早く貯める方法があった。

 tabiwaアプリなどで購入できるデジタルパスを利用した場合、自由周遊区間内をJRを利用するときは、アプリと紐付けしたICOCAをタッチすることになる。ICOCAから運賃が引き落とされるが、同額分のWESTERポイントが、後ほど還元されることとなる。つまり、そういうデジタルパスで、JRに9000円分以上乗れば、9000ポイントが付与されるのだ。

 幸い、「神戸・姫路(ひめじ)夏の体験デジタルパス」という手頃なパスが今夏は販売されている。新大阪(しんおおさか)~播州赤穂(ばんしゅうあこう)間など、兵庫県南部のJR線全般が自由周遊区間となっている。パスの値段は3300円だ。これを使ってJR線に9000円分乗れば、必要なポイントが貯まる。
 最も安易な貯め方として、「兵庫駅シャトルラン」がWebで話題になった。兵庫駅には和田岬(わだみさき)線(山陽本線和田岬枝線)の中間改札がある。この改札を通れば、和田岬線に乗ったことになる。兵庫~和田岬間は片道150円だから、三十往復すると9000円分だ。兵庫駅の改札と中間改札との間を三十回行き来してそれぞれにタッチすると、9000ポイント貯まるのである。これを実行した人もいるらしい。休憩無しで一時間程度で完遂したとのことだ。
 わたしはそこまでする気にならない。乗りもしない電車からポイントだけもらうのは、ちょっと気がひける。最大でも一日十七往復しか運転されない区間を三十往復する、というのも。
 だからわたしは、用務や日帰りおでかけにこのパスを利用して、適当に9000円分乗ることとした。単純な計算をすれば、新大阪~姫路間三往復で運賃が9000円を超える。パスの値段と合わせて、12300円で3日間乗り放題きっぷに引き換えられる。この値段でもかなりお得だ。単に三往復では面白くないから、わたしは福崎や相生などに足を伸ばしたりした。もとより用はないのに足を伸ばしてるわけで、その限りでは兵庫駅シャトルランと本質的に変わっていない。

 その分のポイントが、8月末日に付与された。めでたく3日間全線乗り放題きっぷを手にすることができた。
 これでJR西日本全線に乗れるほか、特急などの指定券に枚数無制限で引き換えられる。e-5489での引き換えは九枚が上限だが、それで足らなければ、駅の「みどりの券売機」などで引き換えができる。わたしは、全車指定席の列車の分を優先してe-5489で引き換え、残りは実際に旅に出てから駅で引き換えることにした。

 かくして、9月の平日三日間、この乗り放題きっぷを駆使して、旅することにした。あちこちに行っているので、「近鉄全線3日間フリーきっぷ」の時と同様、写真をお見せしてはキャプション的に文章を書き加える点描方式で綴っていく。


 一日め、最初の優等列車は新大阪行新幹線「こだま834号」で、西明石(にしあかし)から乗車した。自由席にはそのまま乗れるから、朝ラッシュを避ける意味もあり、乗らない手はない。
 早朝深夜の「こだま」には、本来「みずほ」「さくら」などに使用される編成も入る。この列車もJR九州の車輌だった。西日本の乗り放題きっぷの口開けとしてはちょっとしまりがない気もするが、まあいいだろう。

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 新大阪からは敦賀(つるが)行「サンダーバード9号」に乗り継ぐ。これは全車指定の特急だから、初めて指定券交付の権利を行使することとなった。

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 敦賀では接続の北陸新幹線を一本遅らせ、途中下車する。福井の名物グルメであるソースカツをメインにした駅弁「福御膳」を購入し、東京行新幹線「はくたか562号」に乗った。

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 新高岡(しんたかおか)に着いて、在来線の城端(じょうはな)線に乗換え。朱色の国鉄型ディーゼルカーに乗る。座席の半分くらいを埋めた客の、そのまた半分くらいがこの新高岡で降りてくる。新幹線に乗り継ぐだけでなく、駅からすぐの所にあるイオンに行く客もいるのだろう。

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 次に乗る氷見(ひみ)線は一時間以上待ち時間がある。街中でちょっと買い物などもしたくなり、万葉(まんよう)線に乗る。
 目当ての店は志貴野中学校前(しきのちゅうがっこうまえ)電停の近くにあるので、そこで下車、十五分後の次の電車に再び乗った。ここから乗ったのはドラえもんトラムだ。志貴野中学校前は、藤子不二夫記念館の最寄り電停でもあるので、電停もドラえもんの装飾になっている。
 十五分毎とは、地方の私鉄にしてはかなり頻繁だが、客は三、四人ずつしか乗っておらず、心配になる。昼間は大半が超低床車だが、たまにツリカケ音を振りまく旧型車も来る。

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 新能町(しんのうまち)で万葉線を降りる。ICカードリーダーが備え付けられてはいるが、「準備中」のシールが貼ってある。六分ほど歩いて、氷見線の能町駅へ。


 能町駅は、一応貨物も現役で扱っているようなのだが、貨物列車はあまり来ないようで、側線に貨車はいないし草むしている。

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 無人駅だが、待合室に券売機が設置されている。しかし、この券売機はまもなく撤去される。そうなると、降車時の車内や下車駅の改札口で運賃を払う客が詰まるのではないか、と心配だ。それとも、ここから乗る客の大半が定期券利用なのだろうか。
 運行状況を表示する器械は残るのか。運行状況もアプリで見てください、と次第になっていくのかもしれない。

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 13時55分発の氷見行に乗る。二輌編成で全てのボックスに二人以上の客が乗っている。平日昼間のローカル線にしては盛況だ。大荷物の客も多い。



 終点の氷見まで行ってとんぼ返りしようか、とも思っていたが、なんとも気持ちいい天気なので、雨晴(あまはらし)で下りてみることにする。暑いけども。下りるのは初めてだ。

 一つ手前の越中国分(えっちゅうこくぶ)で、大きな三脚など抱えた人がなん人も降りていく。氷見線が一気に海岸に躍り出る撮影スポットには、この駅の方が近いのだ。わたしは車窓から雨晴海岸の絶景を堪能する。快晴なら女岩(めいわ)が浮かぶ海越しに立山(たてやま)連峰が見えるのだが、今日は雲が山を隠している。

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 雨晴で、七割方の客が下りたことには驚いた。雨晴なんて、知る人ぞ知るスポットかと思っていたが、意外なほど俗化している。駅の南方には道の駅もあって、観光バスがなん台も停まっていたりする。道の駅の二階は展望デッキになっていて、この列車にカメラを向ける人も多い。
 雨晴の駅は素朴なものだが、委託駅になっていて、改札口で駅員と乗り越し客が声高に日本語や英語やを交わしている。

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 海はあくまで青く、浜辺に出ている人は多くない。観光客は多くても、雨晴海岸は2㎞ほどにもわたって続くし、氷見線の駅と道の駅が適度に離れているのもあって、人が分散するのだろう。暑いから、出てきた人もすぐ引っ込むのかもしれない。
 浜側から見る駅も、風情を感じさせられる。

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 集落を行く駅前のバス道は、海との間に松林と家並みを挟んでいて、特に海岸の道という感じはない。

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 さきほどのディーゼルカーが氷見から折返して来た。冷房の効いた車内に逃げ込むように乗る。

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 高岡に終着。また城端線まで一時間近い待ち時間がある。できれば氷見線は全て新高岡まで行ってほしいところだ。
 一旦改札口を出ると、券売機の前に、たくさんのお鈴を吊るしたオブジェみたいなのがある。鈴には番号が振られ、上に表示された楽譜でも、音符に番号が付いている。番号に従って鈴を鳴らしていくと、高岡駅の発車メロディが自分で演奏できる、という趣向だ。
 これは面白い。子供でも、音楽の素養がない人でもできるから、駅ピアノの類よりも気楽だ。ちょっとのど自慢の鐘を鳴らす気分でもある。

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 そのそばに、あいの風とやま鉄道の窓口がある。対応する内容は多岐にわたる。

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 新高岡まで一駅乗る城端線のディーゼルカーは、ハットリくんラッピング車だった。

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 新高岡から宿泊地の福井までは、新幹線「はくたか565号」で移動した。この列車では、ワーク&スタディ優先車両「TRAIN DESK」となっている9号車の指定を取ってみた。
 仕事や勉強をする人に配慮し、静粛を保つ車輌なのである。通常の指定席特急料金で利用でき、フリーきっぷでも指定できる。小声でWeb会議に参加する人もいるし、パソコンの操作音などは聞こえるが、概して静かだ。
 かつて山陽新幹線にあった「サイレンスカー」にも乗ったことがあるが、あれは車内放送もなくて、乗り過ごさないか、ちょっと落ち着かなかった。のだが、この「TRAIN DESK」では、ちゃんと放送があるので、助かる。今日は別に仕事はないが、仕事をしていても、駅に着く時はちょっと手を休めて気分転換にするのもよさそうだ。

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 福井では、駅前に新しくできたホテルに宿泊、トレインウォッチングにも最適のホテルなので、窓から北陸新幹線、ハピラインふくい、えちぜん鉄道、福井鉄道などの眺めを堪能した。宿泊記は、お出かけブログ『まるよし出歩く』の記事にした。

 二日めは、午前中に駅に近いクリニックを受診。その後、以前住んでいた鯖江(さばえ)まで往復する。鯖江にあるスーパーに入っている肉屋の惣菜がとびきり美味しいので、福井に来るたびに立ち寄る。
 鯖江への往復は、ハピラインふくいに乗った。

(2)へつづく

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