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2005年10月 4日 (火)

教師七つ道具(1) 赤ペンとの邂逅

 教師こだわりの筆記具は。
  社会人になると、ボールペンを使うことが圧倒的に多い。万年筆はかつて必需品だったが、「万年筆テイストのボールペン」が出ているので、ほとんど必要ない。ましてシャーペンや鉛筆なんて、ここ十年ほど買っていないのは使う機会が少ないこともあるが、クラスの学生が教室に放置して行ったものをもちろんHRで持ち主を確かめて誰も名乗り出なかったもの、でことたりるのだ(傘だって買う必要がない)。事務書類や教材プリントはワープロで字を打って作るし、手書きするのはむしろ黒よりも赤が多いほどだ。教師にとっての商売道具となる、教師の象徴と言ってもいい文房具が赤ペンだ。

※この記事は、∀∀'s daily life:やはり文房具は使い慣れたものが一番ということに対するトラックバックとして書いたものです。
 

 だから、赤ペンにはこだわりたいが、なかなかこれといったのに出会わなかった。

 小学校の時の先生は、採点用のサインペンみたいなのを持っていたと記憶している。どの先生も同じ仕様のを持っていたから、消耗品としてまとめて購入していたのだろう。メーカーなどは不明である。穂先が上品に尖っていて、胴体の先の方がスケルトンになって芯が覗いていた。当時、サインペンでそういうつくりのものは珍しく、先生になりたいと思っていたわたしにはそのフォルムに憧れをかきたてられるのだ。
 ああいうのがほしい、と思っていたが、所属校ではそんなのの共同購入などしていない。

 それで、学生時代からボールペンは三菱鉛筆(三菱自動車とは何の関係もないそうだ。念のため)uni-balls水性インクの安物を使っていたから、その続きで、教師になってからも、UB-105BXアカという100円のを使い捨てにしていた。試験答案を採点する時は、1クラスにつき1本を使い捨てる。インクが切れるわけではないが、激しい使い方をする(○や×をつけたり、大きく部分点を書いたりするのはけっこう乱暴な動きになる)ためか、40枚も採点すると、ペン先が傷んできて、インクのりにむらが出はじめる。こうなるともう、スムーズな採点のリズムが崩れるので、御役御免である。少々もったいないのだが、どこかでこれのクロを田原総一郎氏が使い捨てで原稿書きに供している、と聞いたので、ちょっとした物書き気分に浸って地球に厳しくしていた部分もある。書き心地そのものは値段の割に非常にいいのだ。軽いし。
 ただ、不満は線の太さと色である。
 UB-105BXの線の太さは0.5ミリだが、多少のにじみがある。にじみは別に気にならない。細かい字を書くなら困るところだが、○や×を描くには、多少丸みのある輪郭の方が、印象が柔らかくていいのだ。しかしそれでもまだ細い。願わくば1ミリ程度の幅は欲しいのだ。それくらいないと、教師の包容力と威厳を象徴する線にならない。
 色も、真っ赤なのがよくない。踏切の警報機みたいに学生の解答を断乎全否定しているようだ。もう少し控えめな色はないのか、と思うが、色鉛筆や水彩絵の具でもあるまいし、そう細かい色のバリエーションがあるわけでもない。ピンクやオレンジまでになってしまうと、けばけばしく品がなくなる。パステル調の赤では採点が信用できず、妥協を認めるかに見える。それらの色と赤との中間くらいがいいのだ。あの小学校の先生が持っていたペンのような、甘い苺ゼリーを思わせる透明感のある赤が。

 同様に考えた教師たちのリクエストがあったのだろうか、三菱が数年前から新しい色を出してくれているのである。それがUM-153朱である。朱というのがいい。オレンジと赤の中間くらい、ボール径1ミリで、ゲルインクだからにじみもなく、こちらの狙いどおりの線が得られる。インクの出具合もすこぶるよく、これだと5クラスくらい採点しても大丈夫だ。
 以来地元のロフトに出かける度に店に出ているこの色を買い占めてくるのだが、この種の文房具は改廃が激しいので、いつ製造中止になるか、ひやひやしている。

  (下記は、楽天市場の該当商品ページへのリンク。購入もできます)

 【三菱鉛筆】シグノ太字朱UM153.16

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6.1  教師業」カテゴリの記事

コメント

僕も先生が使っていた赤サインペンに憧れてましたね~。
あの包容力はボールペンでは出せません(笑

文房具は定番中の定番以外は(消しゴムならMONO以外は)マイナーチェンジが繰り返されるのでやっかいです。
今となっては手に入らない消しゴムの感触が懐かしい…グスン。

投稿: ∀∀ | 2005年10月 4日 (火) 22時56分

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