« 私的解題(12) 「たそがれに愛をこめて」 | トップページ | 福鉄140形さよなら »

2006年10月13日 (金)

弁論大会テーマ 下

 弁論大会が終了したので、試合をふまえて改めて各テーマについて述べる。

第一試合 「増税すべきである」
 まるで国会での与野党の論戦をみるような試合であった。だいたい予想される論点しか出てこなかった。もう少し学生らしく、生活に根ざした具体例があると、聴衆にも分かりやすかったであろう。論理的にはどっちもどっち。立論の声の大きさと明瞭さで否定側(2C)が勝ったと思われる。

第二試合 「TVゲームは少年犯罪につながっている」
 やはり肯定側は苦しい論題であった。「つながっている」ということは実証的には示しようがないし、少年犯罪が最も多かった時代はTVゲームがなかった時代であるから、肯定しようがない、というところだ。学生には身近な話題なのだから、もっと経験に基づいて生々しく述べるとか、聴衆に直接語りかけて同意を促すとか、身近さを活かした戦略があれば迫力ある試合になったろう。否定側チームはマイクをとったのが女子一人だけで、チームワークに問題があったが、結局は否定側(2M)が寄り切った。

第三試合 「100分授業は成功である」
 論題を表示するめくりがうまくめくれず、「100分授業は犯罪につながっている」と表示されたまま試合が始まった。最も学生に身近な話題であり、否定側は聴衆に語りかけたり、「昼休みが遅くなったのはきつい」などと笑いをとったりして、だれ気味になる真ん中の試合としては、まあよかったのではないか。否定側はわたしが公式彩図で述べたコメントを引用していたが、あれは時間割を組む作業に疲れたと言ってるだけであって、100分授業の是非とは関係ない。唯一の2年と3年の対決だったが、否定側(3E)が先輩の貫祿をみせて、立論にプランがなかったにも関わらず、勝ち。

第四試合 「小学生に携帯電話は必要である」
 これまたテーマとして否定側有利。否定側は論点を多様に持っていて、クラスのバックアップを最大限に活かした。立論や反駁の声も大きく、聴衆の支持も得て、否定側(3EI)が勝った。

第五試合 「小学生への英語教育は必要である」
 肯定側が有利な論題で、否定側が苦戦。質疑の時に肯定側のペースにのせられてしまった。英語を教えること自体を否定しているのではなく、小学生から教えなくてもよい、と言ってるだけなのに、肯定側に巧みに論点をずらされていった。実は肯定側の立論は、3Mが用意していた立論原稿の内容とほとんど同じだった。肯否変わっていたら、どうなったか。それと、否定側立論はタイムオーバーで減点をくらい(ベルが鳴ったらすぐ止めないと)、拍手は大きかったが局地的だった。肯定側(3B)の勝ち。

 全体に、時間の使い方が下手である。タイムオーバーもいけないが、時間を余らせるのも、相手チームと聴衆に失礼である。沈黙をつくらずに聴衆を飽きさせないのも、テクニックのうちなのだ。そして、運営側も、時間が余っていても所定の時間が経過するまでは次のステップに移ってはいけない。こんなことは今まで何回も指摘してきたことであり、ノウハウが受け継がれていない。
 それから、立論でプランを明確にまたは全く述べないチームが多い。プランを述べてそれに関するメリット・デメリットを整理して述べる、という基本ができていなくては立論にならない。それをしていたのは3Mだけであった(わたしがそう指導したのだから当然だが)。
 やはりきちんとディベートの基本をふまえたうえでこういう大会に臨まねばならないだろう。事前の学習が大切である。

 会場からの帰りに、高学年の学生から声がかかり、「先生の講評はもうないんですか」と言われる。よく覚えていてくれたものである。でも、四年も講評を述べたので、もうあんまりネタがない。ま、今のスタッフを考えても、わたしに協力を求めたりはしないだろう。

※ この記事のように、まるよしの楽しい国語教育の話を満載した本、ぜひお手に取ってお読みくださいね。

 『まるごと とれたて 日本語談義 -ラジオ番組『高専ライブ』で語ることばの話-』
 桐島周 2016 勝木書店 定価1500円(税込)
 
ISBN: 978-4-906485-09-3 
 (桐島周は、まるよしのペンネームです)

 勝木書店のホームページでご注文いただくのがご便利かと思います。
  http://www.katsuki-books.jp/ (書籍検索から)
 Amazon・楽天などでは購入できません。

|

« 私的解題(12) 「たそがれに愛をこめて」 | トップページ | 福鉄140形さよなら »

6.0教育・研究」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/129332/12254924

この記事へのトラックバック一覧です: 弁論大会テーマ 下:

« 私的解題(12) 「たそがれに愛をこめて」 | トップページ | 福鉄140形さよなら »