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2008年9月14日 (日)

工学部の危機と学制再編 下

 さて、前回紹介した雑誌記事が、特集のタイトルに沿った内容であるのかどうか、ちょっと疑問である。
 さらば工学部、と言うが、高専にせよ横手清陵にせよ、最終的には大学工学部で学位を取らなければ、完結しないわけである。純粋な現場の労働者を養成する、という話ならともかく、ものづくり教育というのはそれだけでは済まないだろう。そこに宿命的な矛盾がある。

 そして、六・三・三・四制を崩すと言っても、前半の六・三が義務教育である以上、ここは崩しようがない。わたしに言わせれば、中学校の三年というのが中途半端で、年齢の切り方と子どもの発達段階が合っていないから、中学校が荒れるのもあたりまえなのである。

 だから、学制は白紙改正する必要がある、とわたしは考える。

 ではどうするかであるが、以下のとおりである。

 今のところ、八-五-四制がベストと思っている。今より全体で一年増えるが、高校が実質義務教育化、大学も全入化となった昨今、それくらいはいいであろう。適宜飛び級なども導入すればよい。
 細案は以下のとおり。

◎ 初等学校(6~13歳)…義務教育。
 下級課程四年 + 上級課程四年
  下級の授業は一般教養(特に読み書き計算は徹底的に)のみ。
  上級は選択式で専門教養の入門的内容の授業も入る。
  八年間、特に生活指導・社会性の涵養に重点をおく。

◎ 中等学校(14~18歳)…希望者のみ無試験入学。
 汎習校(高等学校への進学が前提)
 職業校(商業科・工業科・理美容科・海上保安科など)
  大人になる準備としての自覚と教養を涵養したい。
  汎習
科は一般教養主体だが、希望する進路に関する専門教養も選択。
  職業科は一般教養と専門職業訓練が半々程度。夜間もあり。

◎ 高等学校(19歳~22歳+α)…入学選抜あり
 大学(学問の追究が主目的。大学院進学が原則。文学・理学など)
 高等専修学校(職業人養成が主目的。医師・弁護士・SE・教員など)
  大学は専門教養と研究活動が主体。
  高等専修学校は、専門職業訓練と関連教養が主体。夜間もあり。


 義務教育は初等学校だけである。前期と後期とに分けたのは、八年というのが少々長いため、気分的にも、そして学校行事などの便宜を考えても、どこかで区切りをおいた方がいいということ、そして、ちょうど真ん中あたりに発達心理学でいう「十歳の壁」がくるので、そこで切るのがちょうどよいからである。「壁」を越えられなかった子は、後期過程でもそれなりの指導を施す。つまり、後期では進路や学力を考慮したクラス編成となるのだ。
 学校(キャンパス)そのものは、前期も後期も同じ学校にする。基本的には現行の小学校のキャンパスを流用することになる。六年が八年になると児童数も増えるが、少子化で小学校も教室も余り気味なのだから、何とかなるだろう。

 徒弟制や住み込みタイプの職(鳶職・落語家その他)に就く者は、初等学校卒業後すぐにしかるべき親方・師匠に弟子入りする(そうしておいて、夜間の中等学校に通ってもよい)。
 職業技能を身につけたい者は中等職業校を出て就職するが、希望者は高等学校の選抜を受けることもできる。中等汎習校は現在の高校普通科にあたるが、普通科というネーミングは気に入らない。職業高校は普通でないのか。
 これらには現行の中学校と高等学校のキャンパスを流用する。

 高等専修学校は、特に高度な技能教養を要求される職種の養成用で、希望者は選抜を経て大学の修士課程に入ることもできる。旧制の工専や師範学校の復活である。医者が全員研究者(博士)である必要はない。それよりも医療専修学校で医者としての臨床での腕を磨くことにまず主眼をおく。
 現行の高専は、その各校の特性や地域の要求に応じ、職業中等学校・高等専修学校のいずれかとする。または高専全体を、中等・高等一貫教育校としてもよい。気象大学校や防衛大学校なども、高等専修学校として扱うことになる。そして、民間の専門学校や企業内学校も、ある程度の条件を備えていれば、各校種に割り当てて正式の学校と見なす。
 大学は学問の追究に一本化する。高等専修学校との単位互換などはあってもいいだろう。専修学校の学生が学問を究めたくなったような場合(教員養成専修学校生が青年心理学を、医療専修学校生が遺伝子学を、など)は、大学院に進学するなどしてもよい。大学は各県一校程度で十分である。現行の大学の大半は、高等専修学校とすることになる。
 そして、大学と高等専修学校との間に価値の差はないものとする。目的が異なるだけである。大学を卒業すれば学位が、高等専修学校を卒業すれば、その職種に関する免許が得られることとし、両者は別物とする。

 このように目的・性格別に校種を整理する。
 現在のように、それまで「平等に」地域ごとの義務教育を受けてきた子どもたちが、中学卒業を機に突然ランクとラベルを付けられるのではなく、このように徐々に枝分かれしていくようにする。年齢に応じて自覚や目的意識をもたせていけば、青少年の荒れも少しはましになると思う。猫も杓子も高校へ・大学へと躍起になったりする必要はなくなる。
 また、学校運営サイドとしても、高専や専門学校が背伸びして大学化しようとしたり、という無駄なエネルギーも消費しなくてよくなるし、大学生の学力低下などに悩む必要もなくなると思うのだが。

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6.0教育・研究」カテゴリの記事

コメント

いっそうのこと、各県独自の教育体制にしては、如何か?

ちょっと、気にしていることがあります。義務教育レヴェルにおける本県の国語、算数力の基礎能力の高さは、2年連続の結果より、ある面証明された(他県の福井参りが、小、中、高で増えだしたみたいです:愚妻、娘の談)。どう対応すべきであろうか?現に中3の学力テスト、共通問題使った入試、3年生での共通の到達度試験。しっかりした理念を持ってメッセイジを発信しないと、簡単にバッシングや、存続問題に走ってしまいそうな気がして、。

福井参りの増加で、どう生きていくのか?各県独自の教育制度を、認めてほしいものである。

投稿: Namaz-Coordinator | 2008年9月15日 (月) 11時06分

 ある程度地域や学校単位の独自性はあっていいでしょうね。しかし、教育も人生も地域で完結するものではありませんから、国内で教育レベルと学制は統一するべきだと考えます。
 個人の資質に合わせた特例などは個別に検討すればいいでしょう。

投稿: まるよし | 2008年9月16日 (火) 22時29分

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