« 鉄博で日食を堪能した | トップページ | 若返るサッコ »

2009年7月24日 (金)

日蝕を堪能した

 やっぱり、「月が太陽をブロックする」現象については、「日蝕」と書きたい。「むしばむ」も「虫食む」だから、まあ食べてることには変わりないけど、分かりにくいではないか。

 さて、滅多にない日蝕だというから、もちろん見たいと思っていたが、いつものことで、対策が遅いわたしである。日蝕グラスを買おう買おうと思って忘れていた。黒い下敷きもサングラスも危険だと脅されている。気がついたら、もう通信販売で取り寄せる時間はなかった。
 売っている店はどこだろうか。東京に行く途中、ケータイで検索してみた。すると、意外な結果であった。

 メーカーの彩図によると、もはや店頭でも求めにくくなっていて、売っているのは「ビックカメラ」各店だけ、となっていた。他がみんな売り切れているのに、「ビックカメラ」だけに売っているとは信じがたいが、そこしかなければそこに行くしかない。
 新幹線を降りると、有楽町の「ビックカメラ」に直行した。地下二階の双眼鏡売場に下りてみると、貼紙が「日食グラスは好評につき入荷未定です」だと。やっぱりね。
 悄然として、それでも半ば予想どおりだから案外あっさりと諦めて、ホテルに向かうことにする。穴開きおたまでピンホール、という手もあるし。言い聞かせながら地上に出て駅に向かう。舞浜のホテルへは地下鉄が順路。ところが地下鉄の駅は地下二階、そこへ行くには「ビックカメラ」の地下から行くのが最も近道だと案内図で知る。今来たエスカレーターをまた下りて、双眼鏡売場を掠めて地下鉄駅へ。その時。97182081
「ただ今、日食グラスを緊急入荷いたしました。数に限りがございますので、ご利用のお客様はお早めに地下二階へ…」
放送が入って半信半疑、振り向けば特設売場設営中、わたしが一番の客となり、どういうわけかゲットできてしまったではないか。

 さて、日蝕当日、ちょうど午前中は所用のため年休をとって福井に出かけていた。日蝕グラスを鞄に忍ばせて、所用先に行く前にまず空を見上げる。日本中のほとんどがそうであったように、厚い雲が流れている。道行く人が、こんなことに関心はないぞ、と装いながらもちらちらと上を見ている。

97221081

 が、十時前はまだしも雲に切れ目があり、時折陽が差すので、その度に日蝕グラスを取り出して翳してみる。確かに太陽の丸が欠けている。機械で切り取ったような鮮やかな弧。
 六分の一ほどは欠けているのだが、目で見て分かるほど暗くはなっていない。ここで時間切れ、所用先に入る。

 所用を終えて出てくると、さらに雲は重層をなし、陽は全く差さない。雨もぱらついている。夏休みに入っているので、商店街には児童・生徒の姿も多い。97221164
 最大蝕の時間が近づくと、吹き抜けになった百貨店の玄関には、五十人ほどの買物客が集まって、一斉に上を見上げる。雲が切れそうになると歓声が上がるが、なかなか太陽が現れない。もう通りの人はみんな上を向いて歩いている。雲が黒すぎて、日蝕グラスでは何も見えない。 

 見えそうで見えない太陽に焦らされて、集まった人々がばらけはじめたその時、ほんの数十秒だけ、雲がいい具合になった! 眩しくはないが、ちょうど太陽の形がくっきり判読できるだけの雲の絶妙の厚み。何のことはない、天然の日蝕グラスを作ってくれたのだ。
 雲を透して見ているので、太陽でなく三日月にしか見えないのがもどかしいが、とにかく肉眼で、痩せ細った太陽をしっかり確認できた。写真にも映してみたが、うまく映らない。歩きながらケータイカメラで映すような相手でないことは分かっておるが。ほんとうにくっきりと全体の形が見えたのだ。

97221181

 上に開いた上弦の月、もとへ、太陽。お分かりいただけようか。

 八割近くが欠けていたはずなのだが、この時点でも街並みの明るさは、十時前とさほど変わったようには見えない。

97221163

 二割の光でもこの明るさなのだから、大変なものだ。いつもと変わらないことに逆に太陽の巨大さを感じながら、若干の欲求不満とともに電車に乗った。面白い経験であったことに変わりはない。

 ところで、この日蝕グラスはどうすればいいのだ。 

|

« 鉄博で日食を堪能した | トップページ | 若返るサッコ »

8.0時事・ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/129332/45708419

この記事へのトラックバック一覧です: 日蝕を堪能した:

« 鉄博で日食を堪能した | トップページ | 若返るサッコ »