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2010年3月17日 (水)

看板つっこみ(19)~ 小骨レベル

 誤用というほどのことはないが、ちょっと喉に魚の小骨が引っかかる程度にあれ? と思ってしまう看板類もよくある。後々よくよく考えないと何がおかしいのか自覚できない、というようなものだが、そこを考えるのがことばの面白さだろう。

 
 まず、電車内の注意書きである。

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 まあなんということもなく見過ごしてしまうのだが、やっぱり気になる。
 許可なく 立入り に係ることは分かる。が、それは文の意味と、これが電車の運転室後ろに貼られている、という言語外文脈から分かるのであって、係り受けの形態は、厳密には正確でない。
 文型だけから言うと、お断りいたします に係っている。許可なく が連用修飾の形態である以上、立入り という体言には係りようがないからである。わたしが感じた違和感はそこだったのだ。代案としては、

許可なく運転室に立入ることは、固くお断りいたします
無断での運転室立入りは、固くお断りいたします

あたりになるだろう。

 

 次は、ドーム球場に近い駅の通路にある表示。

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 これは、やはり ドーム終了 という表現が引っかかる。試合終了 とすればいいのだが、ドームで行われるのは試合だけとは限らないから、こういう表現になったのだろう。ならば、ドームでの試合・イベント等終了時 くらいにしておけばよかったのではないだろうか。字数は増えるが、右の方が空いているのだから、問題ないだろう。

 

 最後は、文法的に何も問題はない。

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 単に、乗車 の語に引っかかっただけである。そうか、大観覧車 なのだから、やっぱりそれに乗ることは 乗車 と言うことになるのだなあ、と思った。
 普通、乗車 と言うと、車輪の上の箱に乗ることを言うのだが、こういうホイール自体に「乗る」ことが、ある意味で真の 乗車 かもしれない。
 日本語(漢語)の造語力と、その意味の恣意性を改めて思い知らされる事例である。

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 桐島周 2016 勝木書店 定価1500円(税込)
 
ISBN: 978-4-906485-09-3 
 (桐島周は、まるよしのペンネームです)

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