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2010年7月16日 (金)

必殺のやり方はあり得ない

 どうも、わたしが期待したのとは逆の方へ逆の方へものごとが進んでいくようである。自分の天の邪鬼は自覚しているし、皆が納得するベストの方法が定まるものではないことも分かっているが、もう少しまともに針路を見さだめてほしい、と思う。

 
 まずは山陰線、もとへ、参院選である。こういう結果はまあ予想はされたのだが、わたしはなんとか民主党にリードしてほしかった。誤解しないでほしい。民主党を支持する、という単純な話ではない。

 つまり、曲がりなりにも政権交代を果たして、まだ一年も経っていないのである。民主党政権の真価(よくも悪くも)は、まだその全貌が見えない。もう少しやってみないと分からない、と思うのである。合衆国のように、大統領の任期が固定しているなら分かりやすいが、こうたびたび国政選挙があって首班指名があって、というのでは、腰が落ち着かない。
 ここでまた自民党が勝ったりすると、いわゆる「ねじれ」状態となる。これは、国会運営において、余計な手間がかかる、ということである。ねじれているがゆえの時間や費用が空費される。衆議院の優先は揺るがないから、結論は分かっているのに、野党のレゾンデートルを確認するための儀礼的な抵抗が起きるのである。これはどうも、うんざりだ。
 わたしは世論に反して消費税率引上げには賛成だし、橋本総理時代から、次期首相と目され続けた菅氏の手腕も、じっくり見たいと思っている。
 比例代表は、以前の記事で評したように、よく分からない「タレント候補」を利することのないよう、政党名を書いた。比例代表はそれでいいと思うのである。金八不良少女と金メダリスト、特にどちらが好きというわけでもない。
 なお、白戸家のお父さんも、よく分からぬエベレスト(こういう外国語言いとちりは、『ちりとてちん』の糸子に通じる。福井のお母さんはみなああなのか)を掲げて、みごと当選したようだが、彼はやはり福井で立候補したのだろうか。それとも、比例代表だろうか。あそこまで個性的な候補者であれば、たとえ比例代表でも個人名を書いてもよかった。

 
 名古屋場所も、結局開催はするが、NHKでの中継はしない、というどっちつかずの決着が、いかにも日本の「国技」らしい。なんとしても名古屋場所をやりたい相撲協会側が、「とかげの尻尾切り」をしたように思えてならない。構造的な問題なのに、一人や二人を解雇しても、解決になっていない。貴乃花親方が、大関を最下位からもう一度出なおさせてはどうか、と提案したが、あれは正論だとわたしは思う。あの大関を解雇するのなら、今後いろいろな問題が明らかになってくると、軒並み解雇しなければならなくなるかもしれない。それこそ大相撲を受け継いでいく人がいなくなる。
 切られた尻尾が貴乃花親方に近い人たちであったことは偶然なのか。今回またぞろ出た、全く本質的でない貴乃花親方の「黒い交際」疑惑報道(しかし報道内容をみると、前回同様「交際」などと言えるものではないことはすぐ分かる)のタイミングがなぜ今なのか。わたしなどには知る由もない。その意味で、貴乃花親方のあの辞表パフォーマンス、どう考えても理事選の時に言っていたことと矛盾するわけで、裏の意図、つまり、ああいうことをすると誰がどう反応するのか、見さだめよう、という魂胆があったのではないか。貴乃花親方の浅慮を責めてどうなる、という単純な問題ではないように思う。
 ただ、やはり貴乃花親方には、自分の行動の意味をしっかりと自分の言葉で語ってほしかった。なに、嘘でもいいのである。あれではなんのことかさっぱり分からない。

 今場所、あれだけ多数の力士が解雇や謹慎で欠場しているところで取組をして、その勝敗をもとに次場所の番付が決まる、というのは、不公正かつ不正確ではないのか。トーナメント戦ではないのだから、相手が休んだら不戦勝で勝ち進みます、で済むことではないはずだ。今場所の勝敗は、データとして不純物になりはしないか。この意味でもやはり、今場所は中止するべきであった。
 なお、テレビ中継がなくなったことで、下位の力士が故郷に錦を飾れなくなり、かわいそうだ、というような感情論もあったが、それは本質とは関係ない。大相撲に匹敵する人気を誇るプロ野球でさえ、二軍の試合を全国中継したりはしないのだ

 
 
 こんななかで、ちょっとすかっとしたのが、先週の土曜にテレビ朝日系で放送された、『必殺仕事人 2010』である。裏稼業を描いているにも関わらず、結局は勧善懲悪になっている分かりやすさ、視聴者のフラストレーションを極限まで溜めておいて、一気にカタルシス、この構造は衰えていない。
 そして、いつもどおり、世相を風刺した内容が盛り込まれている。八割方完成した公共工事が、幕府の方針転換と財政難のため、放棄されてしまって、利権が蠢く、という設定。そして、その財政難を救うために、若手の勘定吟味役が、「事業仕分け」をしていく。

 事業仕分けと言えば、活躍した議員が「必殺仕分け人」などと渾名されたものだが、パロディを旨とする必殺シリーズが、逆パロディを被ったままで黙っているわけがないのだ。民主党政権を思いっきりおちょくっている。放送日は、恐らく参院選の投票日が決まる前に決まっていたのだとは思うが、いずれにしても参院選の時期にもってきたのは、意図的なことであろう。
 この勘定吟味役は、結局旧来の権力構造に絡めとられて変節し、仕事人に殺されるのであるが、このドラマが参院選に影響した、ということはないであろうか。
 ただ、勘定吟味役は、自分からわざわざ仕事人(であることは知らないようだが)を殺しに家までやってきて、仕事人と河原で一騎討ち、正面から斬り合って死ぬのである。ターゲットの方からわざわざ仕事人の家までやって来るのは異例だ。やはり、死の一瞬前まで自分が死ぬなどと思いもしないまま殺される、という死に方が必殺らしい。その意味では、勘定吟味役に暗殺された筆頭老中の方が、悪人らしい死に方であった。

 そして、今週月曜から始まった異色刑事もの『ジョーカー 許されざる捜査官』は、日頃役立たずの厄介者と同僚に疎まれている鑑識課の警察官が、裏の顔をもっていて、法の裁きから漏れた悪玉を闇に葬り去る、というまさに現代版「必殺」とでもいうべき内容であった。
 大変面白く観たが、もはや、虚構のなかに正義のスジを求めるしかないのか。

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