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2010年9月17日 (金)

浪花エディション 上

 今年から復活したまるよしくらぶのエディション、夏は「浪花エディション」となった。神戸には行ったことがあったのだが、大阪をメインにしたのは意外にも初めてである。大阪に卒業生会員もいることだし、一度行ってみることにした。

 初日はJR普通列車での出発である。前回の高速バスと違って、乗り遅れてもいくらでも後続便があるのでそれは気楽なのだが、それでも上手くおちあえるかどうか、気にかかる。

 わたしが鯖江駅のホームで、短い普通電車の真ん中あたりから車内を窺うと、非文化少年が笑顔をこちらに向けながら手を上げた。手の上げ方が少々親爺くさくなくもない。
 乗り込んで並んで坐るとともにいきなり話が弾むのも誰もが予測するとおりだ。湯尾からは乙男も乗ってきて、うまく集合できた。
 敦賀では新快速が既に入っており、これもまたボックス席をうまく取れた。なかなかスムーズである。車内では、衣掛ループの車窓案内や、リクエストに応えてまるよしくらぶのあけぼの時代からを話したりして、なかなか忙しい時間である。湖西線の停車駅ごとに、ここは誰の実家があって、ここは…、などと彼らが話す。けっこう学生らも広範囲から集まっているものである。

 乙男は、以前にも友人と一緒に新快速に乗って敦賀から姫路まで旅したことがあるらしい。その時の経験で、尻が痛くなるのではないか、と不安であるようだ。
 しかし、聞いてみると、姫路までまる一日、九時間もかかった、というのだ。それはいくらなんでもかかりすぎている。車内放送で姫路到着時刻を聞くと、わずか三時間ほど先であり、しきりに首を捻っている。聞き出しながらよくよく思い出させれば、途中で下車観光や食事などしながら姫路まで行ったことが次第に明らかになってきた。
 現代の『魏志倭人伝』である。十日だ一月だという記述を真に受けては距離を見誤る。

 新快速を大阪で降り、環状線ホームに移動して弁天町に向かう。雑踏に慣れていない連中なので、気を遣う。弁天町のホームでUSJ支社長が待っている…、はずだったのだが、その姿が見えない。改札の外にいるのか、地下鉄の駅に行ってるのか、と思ったが、そこにもいない。
 ケータイが震え、何やら仕事関係の電話が入り、その応対で遅れる、と言う。仕事ならしかたないとはいえ、この世代の会員が絡むととたんに集合がスムーズにいかなくなるのは、なんとかならぬものか。

 大阪港の駅から天保山マーケットプレイスへ歩く。海遊館に入って、巨大な水槽群を螺旋状に見てあるく。ケータイのポイントを引き換えたレジャークーポンの関係でここに入ったが、わたしはどうも水族館や動物園の類が好きになれないので、あまり面白くない。それでも、マンボウの実物を見られたのだけはよかった。
 タスマニアのイルカが泳ぐ水槽の前で、USJ支社長が追いついてきた。あまり感動の再会をするいとまもなく、続きを観ていく。もっとももうコースも終わりに近い。
 三人は、「ふれあいコーナー」で何やら遊んでいたようだが、わたしは出口のベンチで待つ。

 市バスで難波に移動する。乗る時、非文化少年がわたしに、
「お金はどうやって払うんですか」
と訊く。降りる時に200円入れればいい、と言うと安心する。
 バスは座席の半分くらいしか埋まらない程度の込み具合だし、段差のある後部はがら空きなのだが、四人固まって、あるいはなるべく近くに坐ろう、などという発想はわたしたちにはない。乙男は左側最前部の見晴らしのいい席に昇り、わたしはノンステップ平面上の一人席に掛けると、非文化少年は慌ててわたしの前に坐る。USJ支社長は後部の二人掛けを一人占める。
 途中の停留所から客が増えてきた。お婆さんがわたしたちの近くに立った。非文化少年がわたしを振り向いて、
「代わった方がいいですか?」
と言う。そんなことくらい自分で判断すればいいと思うが、このへんに既に彼の心の闇(闇と病みとは同じ語源なのだろうか、とこの時ふと思った)が覗く。わたしが頷いたのを見て吊革につかまった非文化少年を、USJ支社長が自分の隣に呼び寄せる。乙男は後ろでそんなことが起きているとは知らない。
 バスは途中、大阪ドーム球場のすぐ脇を通る。が、これに最も興味を惹かれてしかるべき乙男が、全く気づいていない様子なのが可笑しい。左窓全面がドームで占められているのに、あまりに近すぎて、ドームであることも野球場であることも見分けられないのかもしれない。 

 夕食は難波でとる予定だが、荷物が重いので、ちょっと非効率ではあるが、先に上本町のホテルにチェックインして来ることにする。USJ支社長も随伴する。
 身軽になったが、目当ての店は、難波の駅からも少々歩かねばならない。それならば、とUSJ支社長は、タクシーで行こう、と言う。この夕ラッシュの街中で二駅程度の距離をタクシーに乗るという発想はわたしにはない。が、支社長は、
「あそこまでならワンメーターで行けますよきっと」
とすましている。当くらぶは、この人の見込みの甘さにどれだけ振り回されてきたか分からないが、結局ホテル玄関の前からタクシーに乗った。
 渋滞気味であることも手伝い、料金は1300円ほどになった。責任を感じたのか、支社長が料金を払ったが、結局そこから店を見つけるまでにかなり歩いた。

 さて、この夕食は、当初別の店を予定していたのだが、わたしがふと難波にこういう店があるのに気づき、変更を提案したところ、乙男がかなり積極的に希望したのである。他の二人も否やはなかった。確かに、こんな店ならエディションで寄らぬわけにいかない。

につづく)

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