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2011年10月 5日 (水)

もしも清少納言がまるよしの作文課題を出したら

 春。山の稜線に近い空が、だんだん白く明るくなってきた。雲は紫色に染まっていて、細く絵筆を引いたようになっている。こういう夜明け前の情景は、桜の花よりもよほど春らしい色あいだと私は思う。

 夏の夜。十五夜の満月がきれいなのは、私も認めよう。しかし、それ以上に面白いのは、闇の中に現れた蛍の群れだ。光の点が交錯する様子の方が、息を呑む美しさがありはしないか。いや、もっといいのは、一匹か二匹の蛍が、真っ暗闇を今にも消えそうな光をはかなく発しながら覚束なく飛んでいるさまだ。そこに突然夜の雨など降ってきたら、それはそれでまた風流になる。

 秋らしさは夕暮れ時に現れる。夕陽に照らされると、山の稜線が近く感じられるが、そこをねぐらに帰るカラスが三々五々飛んで行くのも、独特の遠近感がある。雁の群れが空高く小さく見えるのは、言うまでもなく美しい。日が暮れてしまうと、虫の声や風の音には何とも言えないものがある。

 冬の早朝である。雪が降ったりすればもちろんきれいなのだが、それでなくてもすこぶる寒いなか、家中の暖房のスイッチを入れて回るのは、面倒ながら季節感がある。これが昼になって少しずつ気温が上がっていくと、知らない間にファンヒーターがタイマーで切れていたりして、どうもしらける。

 虫のなかでは、松虫・ひぐらし・蝶・鈴虫・こおろぎ・きりぎりす・われから虫・かげろう・蛍などが、一般に風流だとされている。

 しかし、わたしがつくづく感動的だと思う虫は、みの虫である。あの外観から考えて、みの虫の父親はきっと鬼であろう。そうなると、鬼の子を産ませられた母親は、わが子のことを、「この子も父親に似て、まがまがしい心の持ち主に相違ない」と思ったことだろう。それで、そのへんのテキトーな着物を着せて吊るしておいたのだ。そして、「すぐに秋になるからね。秋になったら迎えに来るから、待ってなさいね」などと子供に言っておき、育児放棄して逃げてしまったのだろう。子供はそうとは知らずに、みのの中で風が吹いたのを感じるのだろう、九月ともなると、もう母親が迎えに来るだろう、と思い、「チチヨ、チチヨ」と心細げに鳴いて母親を呼んでいる(ような気がする)。なんとも涙を禁じ得ない話ではないか。

 米つき虫にもしみじみ感動させられる。あのいちいち頭を床につけて歩く歩き方は、虫は虫なりに信仰心をもっていることの現れだろう。暗い部屋で、不意に米つき虫が頭をつける独特の音が聞こえてくると、楽しい気分になる。

2EI 800番 清少納言

 清少納言だったら、ぜったいこのEIに入学していると思う。実際いるんだよね、このての文章を書く女子が。
 えー、どうも内輪しか分からないことが多くてすいません。

注:この記事の紫色の文章は、『枕草子』の現代(口)語訳ではありません。試験やレポートでこれを現代(口)語訳として書いても、点はもらえません。  

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