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2012年7月27日 (金)

小浜に根づく『ちりとてちん』

 『江』ブームに沸いた小浜(おばま)には、暫く足を運ばなかったが、『江』が終了した今、小浜の『ちりとてちん』はどんな具合だろうか。
 駅に降り立ってみると、観光案内所は以前と同じく、「ようこそのお運びで…」と『ちりとてちん』の科白で迎えてくれている。嬉しい。

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 町並みに『ちりとてちん』の名残はあまり見られない。あれほどはためいていた幟は跡形もなく、恐らくオバマや『江』の幟に取って代わられた後に撤去されたのだろう。しかし、各所に立てられたロケ地を示す立札は、現在もそのままである。

 駅から商店街を歩いて行くと、「ひぐらし亭」が現れた。これは、はまかぜ商店街の交流拠点、「はまかぜプラザ」を落語の常打ち小屋に見立てて飾りつけているのである。ここは、イベントを行わないときは、「ちりとてちん資料館」として、一般に開放しており、無料で見学することができる。

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 資料館の壁に貼ってある写真は、主に小浜でのロケの様子である。
 ロケ地は、大阪・小浜双方の地図に詳細に記されている。「天狗座(てんぐざ)」や奈津子(なつこ)のマンションなどとして映された建物がどこに実在するかも地図でよく分かる。
 資料館には高座がしつらえられている。徒然亭(つれづれてい)のひぐらしの紋が入った膝隠しや屏風、それに一門の持ちネタを表示した木の短冊? も、もちろんドラマの撮影に使われた実物(?)である。

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 わたしも、喜代美(きよみ)よろしく高座に坐り、係員の方に写真を撮ってもらったりした。
 この高座は、単なる飾りではない。ここでしばしば落語会などの催しが行われているのである。実際にこの高座で、プロアマ交えてさまざまな人が落語を演じている。そういう所に坐るのは晴れがましくも畏れ多いが、気分はよい。

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 ここを訪れた落語家さんの似顔絵やサイン色紙も飾られている。かなりの数にのぼるが、その中にあの「鉄らくご」の桂梅團治(かつらうめだんじ)さんのもあった。
 部屋の中央には大きなテーブルが置かれ、『ちりとてちん』関連の書籍・雑誌類が坐って閲覧できるようになっている。この椅子は、イベント時には客席となるわけである。

 係員さんと少し雑談する。受付のカウンターは、あの「寝床(ねどこ)」のものである。今は閉館した「つばき回廊」の土産物店で飾られていたあれである。「寝床」の提灯や「魚屋(さかなや)食堂」の屋台なども、ここに保存展示されている。
 係員さんの話では、現在でもこの資料館を訪れる人が多いという。根強い人気が嬉しい。大いに充実した気分で資料館を後にした。

 午後の遅い時間になってしまった。昼食をとりそびれたが、地方の悲しさ、時分時を外すと、開いている店がほとんどない。
 そのなかで、市役所の向かいにあった寿司屋が暖簾を出していた。入ってみると、客はいなかったが、わたしが来たのを察知して、すぐに大将が奥から出てきた。威勢がよくしかし人あたりのいい、気さくな大将である。
 ここで焼き鯖にぎりをいただいた。焼き鯖の寿司というと、押し寿司にするのが主流だが、冷たく固められた酢飯ではなく、口の中でうまくほどけるのがよい。店で食すならこれがよかろう。
 大将からは、とろとろの根カブが突き出しとしてサービスされた。忙しい時間帯に行ったらこうはならないかもしれないが、いい店だった。

(↓解題本『『ちりとてちん』に救われた命』は、平成26年末をもって、書店・Webでの販売を終了します)   

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