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2013年2月23日 (土)

誤読しそうになったニュースタイトル(1)

 ポータルサイトとかmixiなどのSNSでは、ニュース記事へのリンクが端の方のボックスに並んでいることが多い。ただ、それらには、字数制限かある場合も多く、かなり簡略化したタイトルになっていたりする。

 ここでは、わたしがmixiで見て、意味が分からなかったり、取り違えそうになったりしたものをとり上げ、分析してみたい。
 mixiのニュース記事リンクは、右サイドバーのボックスに一行で表示される関係で、全角14字の制限のなかでタイトルが付けられているようである。その範囲で端的に内容を要約しようとすると、何かと無理がでてくることもあり、読み違えることもある。

 そんな例を紹介する。

(1) 21年間毎日息子撮り続けた父

 これは単にわたしの見間違いなのだが、最近はやりきれない事件、粗暴な事件が相次いでいるため、目が勝手に 撮り続けた殴り続けた と読んでしまったのである。またぞろひどい父親が現れたもんだ、と呆れかけたが、少なくとも二十一歳になった息子が、父に叛乱を起こせないのは不自然だな、と気づき、もう一度よく見て間違いに気づいた。
 記事を読んでみると、むしろ殺伐とした世の中にあって、ほのぼのする話であった。外的要因による誤読である。

 語句の区切り方が分からず誤読しそうになったのがこれだ。

(2) 板東英二がゆで卵を好む理由

 なかなか商売上手な方のようだから、板東英二がゆ というブランドのお粥を売るようになったのか。そのお粥で 卵を好む 、つまり、塩味や卵や梅や、いろんな粥があるなかで、卵が大人気で、購買者になぜ卵粥を好むのかをアンケートした記事だと思ったのだ。
 茹で玉子 とでも書いてくれればすぐ分かったのだが、板東英二がゆ で切って読んでしまった。板東氏が茹で玉子好きであることを知らなかったわけではないのだが、咄嗟に結びつかなかった。

 係り受けが分からなかったケースもある。

(3) ゴキブリ大食いでV 直後に死亡

 ゴキブリ の飼い主(?)が自分達の飼いゴキブリに餌の食べっぷりを競わせる大会があるのか、と思った。優勝したゴキブリが死んだのか。にしては 死亡 という語が ゴキブリ に使うには不自然か。
 まさか米国で、人間が ゴキブリ をどれだけ食べられるか競う、などという馬鹿馬鹿しい大会があろうとは思わないではないか。こんな死に方もなんだか悲しい。

(4) ポリ袋にへその緒ついた遺体

 ポリ袋 に臍の緒がどうやってついているのか、それと 遺体 との関係は、と首を傾げたが、へその緒ついた は後ろの 遺体 に係る連体修飾であった。遺体 とは嬰児のそれだったわけだが、そこまで書く字数がなかったようだ。

 係り受けと句読法が入り組んで、多義的になってしまったタイトルもある。  

(5) 迷惑な携帯・スマホ利用者増加

 これは、タイトルだけを二~三度読み返したが、ますます分からなくなった。
 あり得る意味としては、五通りほど考えられるのではないか。

a 携帯やスマホの利用者が増えたことは、社会全般の迷惑だ

b スマホの利用者が増えたことに、携帯(利用者? 業界?)が迷惑している

c 携帯もスマホも迷惑な物であるにも関わらず利用者が増えていて困ったことだ

d 携帯やスマホの利用者のなかで、他人に迷惑な使い方をする人の割合が増えた

e 携帯はそもそも迷惑な物なので、スマホを利用する人が増えた 

 これは記事を読まないと分からなかったが、読んでみるとが正解だった。そうであれば、「携帯・スマホによる迷惑が増大」くらいがよかったのではないか。

(6) ダル実弟「悪の教典」で問題児

 「悪の教典」が何なのかよく分からなかったので、この人が不祥事を起こしたのか、と思ってしまった。「悪の教典」は映画のタイトルであり、そのなかでそういう役を演じている、ということだ。
 ダルビッシュ有氏の弟がKENTAという芸名で俳優をされていることも知らなかったから、なおさら誤読しやすかったわけである。

 タイトルが前半後半に分かれていて、その関係がよく分からなかったのもある。

(7) H.I.S.社長 壮絶なバイト生活

 H.I.S という有名な旅行会社が、そこまで窮乏に陥っていたのか、と誤解しかけたが、現在の社長が過去に 壮絶なバイト生活 をしていた、という記事である。

(8) マイルドセブン JTが名称変更

 JT が「マイルドセブン株式会社」に社名を変更するのか、と思った。が、そうではなくて、マイルドセブン の銘柄の名前が変わるだけだった。

 事件のキーワードだけを拾って繋げたようなタイトルもある。

(9) 犬盗んだ私大生 鉄アレイに血

 何が何だかさっぱり分からない。本文を読むと。

 ペットショップから犬が盗まれる事件があり、店の入口に血の付いた鉄アレイが落ちていた。犯人は檻を壊して中の犬を鉄アレイで殴って持ち出していたのである。その鉄アレイから足がつき、私大生が容疑者として逮捕された。(要約)

 という事件であった。

(10) 20代までに身につけるマナー

 これは、意味は分かるのだが、20代までに(正確には 20歳台までに だろうが、そこはまあいいとして)というのは、身につける期限は29歳だろうか。それとも19歳なんだろうか。
 前者なら 20歳台中に、後者なら 20歳までに とするのが、解釈がゆれなくていいと思うが、どうだろう。

 こんな感じで、どこか体がむず痒くなるようなニュースタイトルが、けっこう定期的に現れるので、今後もネタが溜まったらこういう記事を書くかもしれない。 

 

※ このカテゴリーの記事のように、まるよしの楽しい日本語の話を満載した本、ぜひお手に取ってお読みくださいね。

 『まるごと とれたて 日本語談義 -ラジオ番組『高専ライブ』で語ることばの話-』
 桐島周 2016 勝木書店 定価1500円(税込)
 
ISBN: 978-4-906485-09-3 
 (桐島周は、まるよしのペンネームです)

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  http://www.katsuki-books.jp/ (書籍検索から)
 Amazon・楽天などでは購入できません。

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