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2013年3月29日 (金)

『ふるさと文学さんぽ 大阪』

 『ふるさと文学さんぽ 大阪』(船所武志 監修 2012 大和書房)【送料無料】大阪 [ 船所武志 ](左は、「楽天ブックス」の該当書ページにリンクしています。購入もできます)という本を手にすることができ、早速読ませていただいた。
 大阪で学生時代を過ごし、一応国文(文学そのものではないが)が専攻だったわたしにとっては、大変懐かしく面白い本である。 

 大和書房からは各都道府県の同シリーズが刊行されているところのようで、巻末には福島・宮城・岩手・京都の巻の案内がある。

 この種の地域にこだわった文学書はこれまでにも数多く出版されていると思うのだが、この本はなかなか柔軟で、文学といっても近代小説に限定していないのである。民話、児童文学、エッセイ、評論、戯曲はもちろん、俳諧や落語、さらに漫画までとり上げられている。
 それはいいが、そこまで範囲を拡げてしまうと、何を「大阪らしい」作品として採り上げるかというのが難しくなる。選択肢が厖大になってしまうからだ。
 しかし、この本のチョイスは、わたしの好みに合うものだし、妥当性も高いと思う。

 評論としては、『大阪ことば学』(尾上圭介 2010 岩波現代文庫)から抜粋された「ネンをつけたらよろしねん」が採られている。いわゆる大阪弁について、素人にも分かるようかみ砕いて、言語学的な分析を示した快著である。
 上方落語のネタは「崇徳院」である。数多いネタからこれを選んだのは、時宜を得ている。これまでも当ブログでとりあげたように、朝ドラ『ちりとてちん』『てっぱん』、そして大河ドラマ『平清盛』という系譜のなかで、それぞれに大切な役割を果たしたネタなのである。けっこう馴染があるものであろう。

 そして、何といっても『じゃりン子チエ』の一話がそのまま収載されている。大ファンのわたしとしては嬉しい。作者はるき悦巳氏の顔写真も、滅多に出るものではないので、貴重である。

 他には、『くっすん大黒』(町田康)・「アド・バルーン」(織田作之助)・「蘆刈」(谷崎潤一郎)などなど、個性的で浪速的な作品が並んでいる。
 関西人には楽しい快著である。

(下の画像は、「楽天ブックス」の該当書ページにリンクしています。購入もできます)

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