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2013年12月 6日 (金)

的外れな批判的ホテルレビュー 上

※ 『まるよし講読』は当記事をもってちょうど900記事に到達します。初期の頃の記事の「毒」が懐かしい、と仰有る方もいらっしゃるので、ちょっと「毒」含みの内容を充てました。あしからず。

 いわゆるグルメ彩図などで、無責任というか野放図というか、そういう「口コミ」に頭を悩ませる店も多いという。
 客だから何を言ってもいいというものではないと思うし、批判なら店相手に言えばいいことで、公開する必要はないと思うのだが、店の悪口を書く人も多いようだ。
 ホテルもそれは同じで、ホテル予約彩図にも口コミ欄はある。しかし、そこに書き込まれている悪い評価を見ると、全くホテルに同情してしまうようなものが散見される。わたしはホテル滞在を愉しむ人間なので、そういうおかしなレビューでホテルにやる気を失くされたりしては困るし、ましてサービスが妙な方向に変わってしまうのも困る。

 この記事では、主にわたしが使ったホテルに書き込まれていたレビューで、あまりにもホテルが気の毒になるようなものをいくつか挙げてみる。
 ホテルや書き込んだ人が特定されるのを避けるため、少しアレンジや要約をして、擬似引用として例示する。

 わたしが愉しむのは、おもにシティホテルの滞在である。たまにはリゾートホテルとかラグジュアリーホテルと言われる類も使う。ただの庶民だから、日常はビジネスホテルを利用するのだが、それは滞在を愉しむことにはならない。単に一夜を過ごすだけ、と割り切っている。

 問題あるレビューで目につくのは、わたし同様普段はビジネスホテルを使っているような人が、その基準をシティホテル等にそのまま適用してすかたん批評になっている、といったものである。
 スーパーの服売場と高級ブティックとでは、おのずと雰囲気やサービスに異なる文化があると思う。ホテルだって同じである。

 無線LANの接続料金に○○円も取られたのは納得いかない。今どきWebの利用は無料があたりまえである。

 今どき無料があたりまえなのは、熾烈な価格競争の波に曝されている駅前の安ビジネスホテル、つまりわれわれ庶民が普段使うような所であろう。簡素な朝食が無料で提供されるような。
 シティホテルでもネット無料の所も出てきている。ただし、その場合は宿泊基本料に転嫁されているだけの話で、インターネットをしない人にとっては丸損である。それに、全面無料でなくても、ネット使い放題のプランを出していたり、会員ステータスによって無料にしたり、という所もあるから、そういうのをうまく利用すればいいのだ。ホテルからの返事も、そういう主旨であった。
 さらに、訳知り顔で、

 現代はインターネットが必需品の時代なのだから、無料にしないと競争に勝てませんよ。

 などとホテルに説教をしている客もいる。
 それならなぜ、「半世紀も前から電話は必需品なのだから、部屋からの電話代を無料にせよ」とか、「現代はクルマ社会なのだから駐車場を無料にせよ」とか主張しないのか。水分を摂らないと生きていけないのだから、冷蔵庫の飲料も無料にするべきなのか。
 どうも論法がおかしい。こういうことを言う人は、自宅でプロバイダに料金を払っていないのだろうか。

 そうかと思えば、シティホテルならではのサービスを知らずに文句を言う客もいる。

 食事に出かけて部屋に戻ってみると、ベッドのカバーが外されて浴衣がベッドに載せられていた。客の留守中に勝手に部屋に入るとは何事か。

 この人は、温泉旅館で宴会の間に部屋の布団が敷かれていたら、やっぱり怒るのであろうか。ターンダウンサービス(いわゆる「おやすみのご用意」)はあれと同様のものであり、ビジネスホテルに比べて人手をかけて手厚くサービスしているのだ。さらに、温泉旅館とちがい、客に選択の自由がある。ターンダウンで部屋に入られるのが嫌なら、チェックインのときにその旨断っておけば、省略してくれるのである。
 これを書いていたのは、五十歳台の男性であった。その歳までシティホテルに泊まったことがなかったのかもしれないし、そうだとしてもそれはその人のライフスタイルだから別にいいのだが、泊まるとなれば、シティホテルの慣習くらい調べていけばいいのに、と思う。それなりの店で食事するときは、テーブルマナーや店での身のこなし方の予習ぐらいして行くであろう。
 こういう年齢になると、経験を重ねてたまたま自分の習慣になっていることに絶大な自信をもち、思考が停止するのかもしれない。わたしも気をつけないといけない。あるいは、この事態に納得がいかないなら、その場でフロントに苦情を言えば、事情がすぐに分かったと思うが。
 この男性へのホテルからの返事は、ターンダウンサービスに対する説明が足らなくて申し訳ない、というものであった。苦笑しながら返事を書いたのだろうが、こんなレビューにも謝らねばならないのだから、客商売はつらい。

 その逆もある。

 昼間外出して部屋に戻ってみたら、清掃がされてなかった。「Don't disturb」の札をうっかり出したままにしていたのは私の落ち度だが、気を利かせて掃除しておくぐらいのサービスがあってもいいのではないか。

 なんじゃそれは。自分の落ち度と分かっていて、なんで苦情を書くのだ。
 そんな気を利かせられては、本当に入ってほしくない客が迷惑だとなぜ分からないのか。何時に部屋に帰って来たのか知らないが、夜でもすぐにフロントに相談すれば、簡易な清掃やタオルのみの交換など、できる範囲で次善の策を考えてくれたはずである。帰宅してからこんなことを書いてどうなるのか。

 次もまた、いろんなクラスのホテルをごっちゃにしていると思われる例である。

につづく)

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