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2015年1月20日 (火)

誤読しそうになったニュースタイトル(5)

 シリーズの五回め、またまた言語表現として気になったニュースタイトルをご紹介する。
 
 

(41) 壇蜜で興奮? 田原総一朗が入院

 ?の前と後ろのつながりがよく分からなかったが、田原さんが脱腸の悪化で入院した直前に、たまたま壇さんに会っていた、ということで、田原さん自身が自虐的なギャグとしてそれが原因と語った、ということのようだ。なかなか紛らわしい。

 次は、このシリーズでよくある、事件の名前を勝手につける、という趣である。

 
 

(42) 函館脱線 レール幅が基準2倍

 函館脱線 は、JR北海道の区間で貨物列車が脱線した事故を指す。こう略しても分かったのである。
 加えて、レール幅が基準2倍 には一瞬ぎょっとした。在来線のレール幅は1067mmである。その基準の2倍となると、2134mm幅まで拡がっていたということだったのか! そりゃ脱線するに決まってるだろう、と思ったが、おそらく「レール幅の狂いが許容基準の2倍に達していた」という意味なのだろうな、と思いなおす。難しい解釈だ。 

 
 

(43) 王将射殺 立ったまま4発命中

 これもまた 王将射殺 という略語が使われているが、もちろん、中華料理チェーンである「王将」の社長が何者かに撃たれて亡くなった事件のことである。
 立ったまま なのが社長なのか犯人なのか、一瞬迷ったが、犯人がまだ捕まっていないのだから、当然社長のことだろう、と解釈するしかないわけか。
 三発まで弾を受けても立っていたとはタフなことだ、とそこに感動すればいいのだろうか。それとも、犯人の早撃ちに驚くべきなのだろうか。
    
 

(44) コブクロ 無告知で路上ライブ

 無告知 にちょっと首を捻ったが、要するに、一般的な言い方で言う サプライズ のことである。字数制限のいたずらでこういう漢語に置き換わったわけだが、安易にカタカナにしない怪我の功名が好ましい。

 
  

(45) はさみ男 女子大生の財布奪う

 はさみ男 と聞いて、わたしが脳裏に浮かべた映像はバルタン星人なのだが、もちろんこれは はさみを手に持った男 の意である。
 
   
  

(46) ノブコブ吉村ブログに母と指摘

 これも、先行する事態を知らないと、解釈しようのないタイトルである。
 お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の吉村崇さんが、テレビで「生き別れの母がいる」と語ったのだが、数年前の彼のブログに、お母さんの写真が出ている、とネット上で指摘する人がいた、ということである。
 これに吉村さんがどう釈明したかはもう覚えていないし、あんまり興味もない。単にタイトルが面白いと思っただけである。
 
 
 
   

(47) はね死なす 元女子アナに罰金

 はね死なす が何だか枕詞のようで、妙な感覚をよび起こすタイトルである。
 元女子アナはクルマで男性を跳ねて死に至らしめる事故を起こしたのだが、その事故が発生した時のニュースが ●●アナ、男性をはね死なす というようなタイトルだった。それでそこからコピーしたのだろうが、これでは唐突である。
 死亡事故で とすればよかったのではないか。
  
 
  

(48) コンビニで模造刀「店を守る」

 店を守る と言ったのが誰なのか、が分かりにくいのだが、これは、数日前に強盗に襲われたコンビニに模造刀を持った男が現れ、「店を守ってやる」と用心棒を志願した、という事件である。この十四文字からそういう事件の全容を読み取るのは難しい。
  
 
 

(49) 友人の「出頭」聞き入れず逃走

 出頭 の一語だけが鍵括弧に包まれていると、会話文なのかどうかも分かりにくくなる。
 地検から容疑者が逃亡した事件の続報である。逃亡中に会った友人が「警察に出頭した方がいい」と勧めたのだが、それを聞かずに逃走を続けた、ということである。出頭 の後に くらいを付けてほしかったが、字数がいっぱいのようだ。
 
  
 
 

(50) "終戦信じず"小野田さん死去

 これも、クオーテーションマークで囲んだ意図が不明確なタイトルである。小野田さんが「終戦を信じないまま」亡くなったかのようにも解釈できるが、もちろんそんなことはない。
 終戦を信じないでルバング島の山の中で潜伏生活をしていた小野田さん が亡くなった、と言いたいわけで、これはなかなか難しい解釈だ。やはり、予備知識がないと正しく解釈できない。

 
 

 今回も、日本語の表記や表現について、その難しさを考えさせられるタイトルが多く並んだ。今後も気になるタイトルを探し続けることとしたい。  
 

※ このカテゴリーの記事のように、まるよしの楽しい日本語の話を満載した本、ぜひお手に取ってお読みくださいね。

 『まるごと とれたて 日本語談義 -ラジオ番組『高専ライブ』で語ることばの話-』
 桐島周 2016 勝木書店 定価1500円(税込)
 
ISBN: 978-4-906485-09-3 
 (桐島周は、まるよしのペンネームです)

 勝木書店のホームページでご注文いただくのがご便利かと思います。
  http://www.katsuki-books.jp/ (書籍検索から)
 Amazon・楽天などでは購入できません。

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