5.6  言葉の動向

2013年1月24日 (木)

新・流行語対照(11補遺)~ いただけますよう(結論編)

 いただけますよう という言いまわしに関しては、話題にのぼることも多く、このブログにも いただけますよう で検索して訪問される方が多い。
 当ブログでも「流行語対照」シリーズの記事でこの言いまわしをとり上げているからだ。ただし、検索によって来られる方々の多くは、文法的な解説を読みたいわけではなく、いただけますよう という言いまわしは正しいのか、使ってもいいのかどうか、それを知りたいだけであろう。しかし記事では、多数の例文を比較対照しながら長々文法談義をした後に結論を書いていたから、多くの方は読みくたびれて結論部までいかないのではないか、と懸念する。

 そこで、異例のことだが、日本語研究の末席を汚す立場としての見解・結論だけをこの記事に独立させ、いただけますよう が妥当なのかどうか、規範的な言いまわしはどういうものか、ということだけをもう一度ここにまとめておきたい。

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2012年8月 7日 (火)

流行語対照(12)~ 「〈感情系名詞〉+感」

 名詞自体に既に感情の意味を宿しているのに、それにわざわざ という接尾語を付ける、というある種の二重表現が、しばしば「おかしな日本語」として槍玉に上がる。
 代表格は、期待感不安感 の二つであろう。 

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2012年3月18日 (日)

新流行語対照(11)~ いただけますよう 下

 「いただきますよう」と「いただけますよう」はどちらが正しいのか、ということだけてっとり早く知りたい方は、こちらの記事 へどうぞ!

からつづく)

 「いただきますよう」と「いただけますよう」と、どちらが正しいのか、あるいは、もっと適切な言い方はないのか、という問題について考えていますが、当記事は、いろいろな文法的な検討を施しているものです。
 てっとり早くその結論をお知りになりたい、という方は、結論編の記事をお読みください。そちらに、日本語学者としての一応の見解を示しています。

 この言いまわしの出自は恐らく、既に出た いただきますようお願いします の類と いただければ幸いです の類との混淆によるものであろう。
 前者の例である先の(4)と、後者の例である(12)を並べてみよう。

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2012年3月12日 (月)

新流行語対照(11)~ いただけますよう 上

 「いただきますよう」と「いただけますよう」はどちらが正しいのか、ということだけてっとり早く知りたい方は、こちらの記事 へどうぞ!

 「いただきますよう」と「いただけますよう」と、どちらが正しいのか、あるいは、もっと適切な言い方はないのか、という問題について考えていますが、当記事は、いろいろな文法的な検討を施しているものです。
 てっとり早くその結論をお知りになりたい、という方は、結論編の記事をお読みください。そちらに、日本語学者としての一応の見解を示しています。

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2011年10月16日 (日)

どこまで可能なのか

 今から十年ほども前になるが、テレビ番組で、和田(わだ)アキ子(こ)氏がこんな発言をした。図らずも、いわゆる ラ抜き という文法的現象をよく象徴する発言である。

(1) お父さんの死をきっかけにストーカーをやめられた、やめられたってのは敬語じゃないですよ、やめれた、やめることができたのは、どうしてですか?
(平成12年11月7日19時00分~20時54分放送 フジテレビ系『赤裸々告白! 直撃!! ウワサの5人』より)

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2011年5月 5日 (木)

流行語対照番外 当ブログ記事が『アサヒ・コム』で紹介

 流行語対照シリーズの一つである「~(時点)ぶり」の記事を読んだ方からご連絡をいただいた。
 この方は朝日新聞社の社員で、同社彩図『アサヒ・コム』のなかでことばに関するWebマガジン『ことばマガジン』のなかでコラムを担当している方であった。この「~(時点)ぶり」についてコラムでとりあげるにあたって、いろいろお調べになっているなか、同記事をお読みになったのである。

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2011年3月 7日 (月)

新流行語対照(10)~ 「欲しい」

 欲しい という形容詞の用法が最近おかしいと感じる。

(1) どうしてもあのポルシェが欲しい。
(2) わたしの気持ちを解って欲しい。

 (1)や(2)はこれまであった規範的な用法である。(1)はモノが対象格にきていて、(2)は動詞述語補助形容詞として付いている。いずれも話者の心情を表している。

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2011年1月30日 (日)

新流行語対照(9)~ 「~(時点)ぶり」

 では、流行語対照の新作を公開する。いくつ続くかはまだ分からない。回数は旧シリーズからの追番である。 

 出世魚の名前でも可愛いこぶるアイドルでもチーズでもない ~ぶり の使い方が、このごろおかしい。 そう、「前に同じことがあった時からの期間」を表す ~ぶり のことである。

(1) 東京では、二十三日ぶりに最高気温が30度を下回りました。(テレビの天気予報)

 といった用法で、これは正しい。この 二十三日 は、当然日付ではなく期間のことである。が、そうでない用法が頻繁に聞かれるようになった。 

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2010年12月 6日 (月)

再録・流行語対照(8)~ 「~っす」

 若年層と言うより、上は三十歳台半ばくらいからみられる表現である。目上、といってもそれほど気を遣う必要がない程度の目上、先輩とか直接の上司といったランクの人に対して使われる。もちろん、学生が教師に向かって使う敬語にも出てくる。男子学生が多いが、女子学生からもたまに聞かれる。また、使う人は使うし、使わない人は全く使わない、というのもこの表現の特徴であり、使う人は、いわゆる体育会的なノリの人に多い(あくまでノリの問題であり、実際に運動部に所属している(いた)かどうかとは関係ない)。

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2010年9月12日 (日)

再録・流行語対照(7)~ 「~から」(釣銭系)

 これは息の長い流行であり、もはや定着したと言ってもさし支えないだろう。

(1) (スーパーのレジで店員が客に)五百十七円になります。
   (客、千円札を差し出す)千円からお預かりします。
   (お釣りをつかんで)四百八十三円のお返しです。

 この二行めが問題の表現である。もっとも、一行めにも三行めにも問題はあるのだが、この項の本題から外れるので措いておく。もちろん正しい語法では、こうなる。

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