5.0ことば

2015年3月 3日 (火)

鉄道とクルマ 言葉の取り合い

 鉄道とことばとを好む者として、鉄道に関して使われる用語にも関心がある。
 特に、鉄道とクルマ(自動車)、両方とも車輪が付いていて地表を走る、という形状が共通しているものだから、用語ないし用語が指す事物に、類似するものが多い。それで、鉄道と自動車とでうまく用語を分け合う、というと聞こえがいいが、用語を取り合ったりするケースがあり、このさまが、また興味深いのである。

 それで、標記のような記事を書こうと思うのだが、この表題自体が、自分で書いていてもどかしい。
 クルマ(車) と言えば遺憾ながら普通、自動車のことを表す。鉄道車輌だって車なのに、そして鉄道の方が先にあったのに、自動車のあまりに急速で広範な普及によって、最もシンプルな クルマ の語が、自動車に取られてしまった。もっとルーツを辿れば、「車」は人力車や牛車を指すことになるんだろうが。
 片仮名で クルマ と書くのはわたしのせめてもの抵抗だが、一般にこの表記がなされることも事実である。
 国鉄時代に、ディーゼルカーの急行列車に乗ったとき、車掌さんが放送で、「○号車は指定席の 、○号車は自由席の です」と言ったことがあり、ちょっと違和感があったし、同行の友人が、「ディーゼルカーは クルマ と同じようにエンジンで動くからこう言うのか?」などと言ったのも覚えている。そんなこともないと思うが、その頃既に クルマ と言えば自動車のこと、という語感が定着していたわけである。
 神戸市バスの車内自動アナウンスでは、昔から、「このは○系統○○行です」と言っており、これも子供心にやや違和感がありながらも、バスも自動車の一種なんだなあ、と納得はしていた。残念ながら、神戸市電でもとアナウンスしていたのかどうかは、全く記憶にない。

 そんなこともあり、不本意ながらこの表題となったのであるが、反面、鉄道の方が先発であるがゆえ、簡潔な用語を先取りできた例も多い。
 電車 などはその典型で、クルマの方は後発、それも電気で動くクルマは割合最近になって実用化されたものだから、電気自動車 などともってまわった用語を使わざるを得なくなっている。電気自動車 の方が先にできていたら「電車」と通称されていただろう。
 電車 というシンプルな二字熟語で鉄道のイメージがすぐ浮かぶばかりか、これが鉄道車輌全般、さらには鉄道そのものを指す語として汎用されている。鉄道が分かりやすい熟語を先取りできてよかったな、と思う。

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2015年2月20日 (金)

誤読しそうになったニュースタイトル(6)

 今回も、短くまとめられたポータルサイト上のニュースタイトルをみながら、日本語表現を考えていく。

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2015年1月20日 (火)

誤読しそうになったニュースタイトル(5)

 シリーズの五回め、またまた言語表現として気になったニュースタイトルをご紹介する。
 
 

(41) 壇蜜で興奮? 田原総一朗が入院

 ?の前と後ろのつながりがよく分からなかったが、田原さんが脱腸の悪化で入院した直前に、たまたま壇さんに会っていた、ということで、田原さん自身が自虐的なギャグとしてそれが原因と語った、ということのようだ。なかなか紛らわしい。

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2014年9月30日 (火)

五百年後の「古典」のテスト問題

 久しぶりにちょっとシュールな記事を書く。

 先日、ラジオで「五百年後の日本語がどうなっているか」ということを話題にのぼらせたのだが、そこから派生して、五百年後の学生は、国語(という科目名でもなくなっていそうだが)で、どのような古典の勉強をするのだろう、という疑問も頭をもたげた。
 現代の日本語も、五百年後の学生にとっては古典語ということになるから、理解に苦労するのであろう。

 そこでここでは、五百年後の古典のテストを想定して作ってみた。
 設問の文などは、未来の日本語を想定して書かねばならない。ここは、一応専門的な立場から、こんな感じになるだろう、という予測のもと、創作してみた。文法(用言の活用など)や語彙はどんどん変化すると思うので、ここ五百~千年くらいの変化をさらに推し進めるようなかたちで想定する。主語~修飾語~述語 というような語順などは、そんなに変化しないと思う。

 まあ、平安時代の人からみたら、わたしたちのやっている古典のテストなども、これくらいハズしているのではないか、と思っている。

 では、どうぞ。

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2014年8月 5日 (火)

誤読しそうになったニュースタイトル(4)

 メモしてあったニュースタイトルから日本語の文法や語用を考えるシリーズも四記事めとなった。31~40件めを検討していく。

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2014年4月29日 (火)

元号に使われた漢字 下~ ランキング発表

(「元号に使われた漢字 上~ 元号に親しむ」からつづく) 

 最初の元号 大化 から 平成 まで、歴代の元号は247ある、というのが定説のようである。南北朝に分かれていた時代があったり、公式のものかどうか解釈の分かれる改元があったりして、説はいろいろだが、一応定説を採る。

 手作業であるため、数え間違いもあるかもしれない。誤りなどお気づきの点はご教示いただければ幸いである。
 そのうえで、漢字ランキング、ベストテンを逆順で発表する。

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2014年4月22日 (火)

元号に使われた漢字 上~ 元号に親しむ

 担当しているラジオのコーナーで元号の話題をとり上げた。アシスタントの学生に加え、同僚の歴史教員にも収録に加わってもらった。
 元号の話は、えてして思想信条が絡んで議論の種になりがちなのだが、わたしは純粋にことばの側面からの興味でとり上げたに過ぎず、他意はない。元号にどういう漢字が使われているのか、ということを調べてみるのは、なかなか面白いのではないか、と思いたったのだ。

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2014年3月25日 (火)

誤読しそうになったニュースタイトル(3)

 こんなに早く三回めの記事になるとは思っていなかった。このネタはいい鉱脈なのかもしれない。

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2013年12月27日 (金)

的外れな批判的ホテルレビュー 下

「的外れな批判的ホテルレビュー 上」からつづく)

 シティホテルとビジネスホテルの混同の例は、枚挙に暇ない。次もそんな例である。都内の外資系ラグジュアリーホテルのレビュー。

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2013年12月 6日 (金)

的外れな批判的ホテルレビュー 上

※ 『まるよし講読』は当記事をもってちょうど900記事に到達します。初期の頃の記事の「毒」が懐かしい、と仰有る方もいらっしゃるので、ちょっと「毒」含みの内容を充てました。あしからず。

 いわゆるグルメ彩図などで、無責任というか野放図というか、そういう「口コミ」に頭を悩ませる店も多いという。
 客だから何を言ってもいいというものではないと思うし、批判なら店相手に言えばいいことで、公開する必要はないと思うのだが、店の悪口を書く人も多いようだ。
 ホテルもそれは同じで、ホテル予約彩図にも口コミ欄はある。しかし、そこに書き込まれている悪い評価を見ると、全くホテルに同情してしまうようなものが散見される。わたしはホテル滞在を愉しむ人間なので、そういうおかしなレビューでホテルにやる気を失くされたりしては困るし、ましてサービスが妙な方向に変わってしまうのも困る。

 この記事では、主にわたしが使ったホテルに書き込まれていたレビューで、あまりにもホテルが気の毒になるようなものをいくつか挙げてみる。
 ホテルや書き込んだ人が特定されるのを避けるため、少しアレンジや要約をして、擬似引用として例示する。

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